2009_06_2nd Generation LF Alloys-DfR 第2世代2011
*SAC3元共晶近傍NTEとその代替
SACが産業で受け入れられている。Bi、Zn、Inには問題がある。
Znの問題点
SCC(応力腐食割れ)
Inの問題点
低融点では魅力的だが、供給に問題。
Biの問題点
Pb汚染で深刻な劣化発生。
Pbが供給鎖から除外されればSn−Ag−Biも復活?
SAC305とSAC396の比較 高Ag(3.8−4.0%)かやや低いAg(3.0%)か
SAC396はNEMIで、SAC305はJEIDAで多くのデータ
SAC305
巨大初晶Ag3Sn析出問題で有利(析出しにくい)
SAC305は亜共晶でSAC396(405)は過共晶。
低融点
低コスト
微細構造がより一定
特許問題がない?
低価格より過剰Ag3Sn析出問題でSAC305がSAC405より標準的に
SACは析出硬化合金で微細構造はリフロー条件の影響を大きく受ける。
温度サイクルでは保持時間の影響
SnPbは靱い(柔らかいductile)が、温度の影響受けやすい。
SAC305の濡れ広がり・・・高表面張力で流動とCu濡れが悪い
望ましい性質
低融点(190℃に近い)
低剛性(51からSnPbの40GPa近く)
良好な濡れ挙動(濡れ時間0.5秒程度)
安定な挙動(析出硬化、急速軟化がないほうが好ましい、アセンブリ後の安定した特性)
低降伏応力と低加工硬化速度(SnPb同等、疲労を受けない柔軟性compliance)
低Cu溶解
低表面張力
はんだの傾向
表面実装リフローではSAC305が支配的
携帯機器でのエリア・アレー部品でSAC105使用が増加
SnCuがウェーヴとHASLで普及
微量添加SACX、SnCuXへの強い傾向
見込みある成分
Snが主成分(Cuとよく理解されたIMC形成)
Ag低減で弾性係数低下(SAC105は11%SAC405より小さい)
微量のNi、CoがIMC形成抑制、Cu溶解低減(Tmは220℃以上となる)
Pbが供給鎖から除外されればBiが大きな役割(SnAgCuBiが見込みある)
Mn、Ceなどが耐衝撃性改善で大きな見込み
*RE系はウィスカ問題があり、航空・軍事用では不可とされる。
ウェーヴはんだ合金
SnAgCu−適度な濡れ、ドロスが多い、過剰なCu溶解、高価
SnCu−ぬれ悪い、低価格、高槽温度必要、
SnCuX(Ni・・・)−濡れ良い、適度な価格、浴制御必要(CuとNi比)
鉛フリーの現況
部品(はんだボ−ル)供給
SACが依然支配的、しかし低Ag導入増加(SAC205、SAC105、SAC0507)
はんだペースト
SAC305が依然支配的
ウェーヴとリワーク
Sn0.7CuNi(SN100C)
Sn0.6CuCo(SN100e)
Sn0.7CuNiBi(K100LD)
HASL
Sn0.7CuNi(SN100C)
Cu溶解
スルーホールのひざ(ニー)がめっき厚薄く問題が生じる、主にリワーク、リペアで問題。
スルーホール充填性を良くするため予備加熱、はんだ浴温度、保持時間を増加させやすい
機械的衝撃と振動
ICT(インサーキット試験)で亀裂、えぐれが生じやすい
SACは曲げ応力に敏感
積層板亀裂は配線破壊となる
落下試験ではSACがSnPbより悪い
ENIG(無電解Ni/Au)がOSPより悪い
SAC105の衝撃試験
SACXによる落下特性改善
Mn、Ce添加が効果あるというデータがある
落下試験 SACM(Mn)≧SnPb≧SACC(Ce)>SAC105>SAC305 (Liu 2009)
振動試験
低ひずみではSACが良いが、高ひずみではSnPbが良い。
材料、部品の影響
抵抗: 一般に SAC<SN100C<SnPb
TSOP: 50%故障で SN100<SnPb<SAC
CSP: 一般に SAC≪SN100C〜SnPb
高サイクル疲労
温度サイクル
FC(アンダーフィル無し)ではSnPbが良い。硬いstiff部品はSnPbが良い。
TBGAではSACが良い。柔軟compliantな部品ではSACが良い。
SnPbがSACより勝るのは
リードレス、セラミック部品
リードレス・セラミック・チップ・キャリア(水晶、振動子、抵抗ネットワーク・・・)
SMT抵抗
セラミックBGA
厳しい温度サイクル
−40〜125℃
−55〜125℃
SnPb−SAC遷移
SAC305がSAC105より熱サイクルは良い
SAC305の長所
高強度なので柔軟なパッケージ(BGA、CSP、QFP)に対し熱サイクル特性が良い。
高降伏強度なので高サイクル疲労(低振幅振動)特性が良い。
表面実装部品に対しぬれ特性が十分である。(しかし枕不良がおきやすく、裸のCuに対し濡れが不足)
高クリープ耐性で高温動作可能。
SAC305の欠点
液相線が高くプロセス温度高い(高エネルギー使用、PCBと部品を圧迫)
析出硬化合金なので機械的特性がプロセスとエージング条件で劇的に変化
重要ではないが濡れ挙動(高表面張力)、Cu溶解、価格が理想的でない
高剛性なのでパッド亀裂が一般的破壊モード(動的ひずみ)
抵抗、キャパシタなど硬い部品で熱サイクル信頼性悪い
衝撃特性がSnPbより非常に悪い
SAC105
落下、衝撃特性がSAC305より良い
熱サイクルはSAC305より悪い
クリープ速度が非常に高い
Cu溶解速度が低い
IMCと巨大板状Ag3Sn抑制
Mn、Ce等添加で特性大きく改善
SnCuNi
ウェーブとHALに有望
Cu、Ni量制御注意
表面実装に有望(振動、衝撃、熱膨張異方性)
表面平滑で亀裂発生サイト減少
しかし高リフロー温度
Cu溶解
応力緩和
成分とIMC
SnとCuCu3SnとCu6Sn5形成、不可逆、液体状態だけでなく固体状態でもしかも室温でも成長。
Biは固溶しあるいは析出(>1%)
InはAg、Cuと2元系IMCと3元系IMCSnAgIn、SnCuIn
CoはNiど同様の挙動
第2世代2011 DfRプレゼン
なぜSAC305が標準無鉛はんだとなったか
SACは共晶SnPbを置き換える理想的はんだとみなされたことはなく、
単にそのときに最善の選択であっただけ。すでに利用可能で納得できる融点で、他の選択に比べ信頼性問題が最もなかった。
しかしSAC305には新しい合金で克服できる弱点がある。
SACは析出硬化合金で微細構造と機械的特性がリフロー温度、時間、冷却速度、エージング(保持時間)により大きく影響される。
はんだ特性がアセンブリ条件や消費者使用環境にそのように依存することは好ましくない。
SAC305とSAC406(SAC3906) やや低いAg(3.0%)か高Ag(3.8−4.0%)か
共晶はSn−3.5Ag−0.9CuでSAC305とSAC406)は似たような融点。
SAC406はAg3Sn析出の高体積比となる。
SAC406はより高価。
SAC305はより低せん断応力(より柔軟compliant)
SAC305が徐々に標準を勝ち取った。
SAC合金の機械的特性
冷却速度の微細構造への影響
応力−歪(塑性) 温度の影響
クリープ
SnPbのクリープ速度は125℃までのエージングの影響は大きくない。
SAC305のクリープ速度はエージング条件により大きく影響される。
SAC105では更にエージング条件に影響される。
クリープ
表面張力 流動性と濡れ
Cu溶解
SACは歪に敏感
完璧な合金とは
各はんだに長短があり、用途ごとに異なる最適はんだがありうる。一般的消費者条件では
低融点(190℃に近い)
低剛性(51からSnPbの40GPa近く)
良好な濡れ挙動(濡れ時間0.5秒程度)
安定な挙動(析出硬化、急速軟化がないほうが好ましい、アセンブリ後の安定した特性)
低降伏応力と低加工硬化速度(SnPb同等、疲労で損傷を受けない柔軟性compliance)
低Cu溶解(Cu配線の溶食抑制)
低表面張力(Cu配線の被覆とPTHの濡れ上がりのため)
見込みのある成分
Snが主成分(Cuと良く理解されたIMC形成)
Ag削減で弾性係数低下
IMC成長抑制とCu溶解減少のため微量のNi、Co等
Pbが供給鎖から除かれるとBiが大きな役割
耐衝撃性改善の他の成分 Mn、Ceが大きな見込み
現行のPbフリー
歪量大きいとSnPbが良い
リードレス、セラミック部品、厳しい温度サイクルではSnPbが良い
IMC成長
IMC
SnとCuはCu3SnとCu6Sn5形成、不可逆、液体では速やか、固体でも速度は認識できる(室温でも)
BiはSnに固溶、>1%では析出
InはAg、Cuと2元IMCと3元IMCSnAgIn、SnCuIn
CoはNiと似たような挙動