(13−9−4) DfR ソルーション社の報告 

@ Pbフリーはんだの信頼性

IVF 2011
  信頼性:Pbフリーへの移行

 懸念される環境
  温度変化(温度サイクル)
  振動(高サイクル疲労)
  機械的衝撃(低サイクル疲労)
  高温(長期エージング)
  低温(Sn ペスト、延性・脆性遷移)
  腐食(高湿、腐食性ガス)

 長期信頼性
  SAC、SnCuはSnPbと同等か優れている
   ただし落下、機械的衝撃は除く
  SnCuはSnPbとSACの適度な中間
   SACほど脆くbrittleない
   SnPbよりクリープ耐性がある
   広くウェーヴとHASLで受け入れられている

 温度サイクル(熱サイクル)
   多くの電子故障は熱機械的なものに関係
    熱膨張率差が根本原因
   SnPbvsSAC
    SnPbは優れているのは
     リ−ドレス、セラミック部品
     厳しい温度サイクル
      −40〜125℃、−55〜125℃

  どんな場合にSnPbがPbフリーより勝るか
   リードレス、セラミック部品
    リードレス・セラミック・チップ・キャリア(水晶)、抵抗
   厳しい温度サイクル
    −40℃〜125℃
    −55℃〜125℃


   Pbフリーはより高い加速係数を示す
   加速寿命試験での故障は長期使用寿命と同じ


   ΔTが大きくなるとSnPbがSACを上回るようになる
     しかし単純ではない・・・曲線の傾きと移行は部品と保持時間による


   応力緩和(の影響)
    高AgSACはより耐クリープ性が優れている


  例外は非常な高温(>125℃)、高応力負荷(リードレス、セラミック)

   保持時間効果


   いつが故障であり、故障でないか。


  SAC305の研究
   SACの焦点はBGA、TSSOP(薄、縮小、小型外周パッケージ)、リードレス・チップ部品(大きなもの、2512、1206)


   チップ抵抗:部品が大きいと寿命が短い





   保持時間の影響

   CTE差が減少し、部品が柔軟になると保持時間降下減少

  長期保持

   長時間保持でSnPb、SACどちらも短期に故障。
   劣化速度はSACが速いがそれでもSACが優れている。

   エージング効果・・影響は小さい


   長期保持と部品の影響




  結論(SnPbvsSAC305)
   ほとんどの作動環境で統計的に差は小さい。

  SN100Cの場合



  初期故障の影響(SAC、SnPb)



  SN100C>SAC>SnPb



  低AgSACの場合

  冷却速度、保持時間、接合寸法の影響
  SAC105とSAC305の差は小さい





Hillman 2010

PCBの強さ
   パッド・クレータリング
   電気化学マイグレーション
 パッド・クレータリング
  動的機械的事象で積層板内で亀裂発生。
   回路試験(イン・サーキット試験)、基板分割、コネクタ挿入、衝撃、振動・・・





  きっかけ
   微細ピッチ部品、
   高脆性積層板
   硬いstifferはんだ(SACvsSnPb)
   大きなヒートシンクの存在
  標準的手順では検出困難
   X線検査、染色浸透検査dye-n-pry、ボール・せん断、ボール・引き
 対策
  ソルダマスク規定(被せ)と非規定
  柔軟なはんだ・・低AgSAC

  パッド・クレータリングはPbフリー問題か



はんだ信頼性
 IMCの影響
  IMC成長



   エージング温度によるによる電気的抵抗や強度の変化は小さい。

 信頼性
  疲労
   機械的疲労は低サイクル(高振幅)事象<衝撃>と高サイクル(低振幅)事象(振動)で起きる。
   高サイクル疲労
     繰り返し曲げ
     振動試験
  機械的サイクルの寿命は2つに分けられる
     低サイクル疲労
     高サイクル疲労
  低サイクル疲労は塑性ひずみ駆動(Coffin-Manson)
  高サイクル疲労は弾性ひずみ駆動(Basquin)



   ほとんどの試験結果は寿命を基板水準のひずみでプロット
    弾性範囲でだけはんだひずみと等価
   繰り返し曲げは振動より厳しくない(1/2〜1/4)

  試験結果
   KAIST
    1.27mmピッチ、256 I/O BGA(27x27mm)
    試験:幅100mm


   Motorola
    0.8mmピッチ 179I/O(14x14mm) 幅44mm、1Hz、変位0.2〜0.5mm


   DfR
    2512チップ抵抗(6.25mmx3mm)、幅100mm、4Hz


   コフィン・マンソン予測


  振動

   JGPP → (13−6−3) JCAA/JG−PPの調査結果(航空機・軍用向け信頼性試験)

    BGAではいつもSnPbがPbフリーより優れている。
    レードレス、リード部品では決定的でない。



   Intel 
    サイン曲線振動、0.75g〜4.0g




  実験手順


   基板の位置で応力水準が異なりばらつき大きい






   結果解釈
    SACはSnPbより硬いstiff
    低サイクル疲労(塑性駆動) 
     変位駆動機械サイクル SnPbが良い CSP
     荷重駆動機械サイクル SACが良い TSOP
    高サイクル疲労(弾性駆動)
     SACが良い

   Steibergの臨界変位(ランダム振動で20万回生き残り)


  機械的衝撃
   SACはSnPbより強くrobustでない・・・必ずしも一貫性はない
   基板破壊への交叉crossoverの発生・・・ひずみ速度依存
   めっきが重要・・・ENIGとCu
     SnNi対SnCu IMC



   エージングで落下破壊性悪化



   1000cまでで延性−脆性破壊遷移

  高温保存
    150℃、1000hrのCSP

   SN100CとSAC305は類似の挙動、SnPbが若干良い。
   破壊は主にCSP界面近く。
   典型的には混合破壊、曝露で脆性破壊が増加。




   前処理PCの影響  恒温エージングと温度サイクルTC


   タンペレ大、ヌルミら


   温度サイクルでの微細構造の進化


    SnPbは温度サイクルで粗粒化。粒内破壊がおきやすい。


   SACは高傾角粒界で再結晶し微粒化。Cu基体で速く一様におきやすい。粒間破壊。


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