Pbフリーはんだの金属学的基礎
                                                   


〔Z〕 高融点はんだと特殊低融点はんだ

(16) 高融点はんだと特殊低融点はんだ

(16−1) 高融点はんだ

(16−1−1) はんだとろう

  はんだ(付け)とろう(付けbrazing)の区別は液相線温度450℃とされこれより上がろう(付け)となる。
  はんだ材はSn系合金が主であるが、ろう材は銀ろうなどの貴金属のろう材が中心でそのほかNi、Al、Mgなどの
 ろう材もある。
    Ag系(BAg−):Ag−CuにZn、更にSnなどを添加。
    Cu系:高Cu系、Cu−P−Ag系、Cu−Zn系、Cu−Sn−P系
    Al系:Al−Si(低融点)
    Ni系
    Au系
    Pd系

貴金属ろう材
 田中貴金属


  従来使用されている高温はんだは高Pb系の
     Pb−10Sn:268℃(固相線)〜302℃(液相線)
     Pb−5Sn:300℃(固相線)〜314℃(液相線)
 などが代表的なものである。
  ろう材は低融点のものでも600℃付近なのでその違いは大きい。


日立ナノテック



(16−1−2) Pbフリー高温はんだの概観

  高温はんだの用途は高温用と階層はんだ付けが主であり、特にダイボンディング、パッケージ内部接合、
 パッケージ封止に高温はんだを使用し、そのようにしてパッケージ化した部品をリフローする階層はんだ付け
 が重要となる。
  従ってPbフリーはんだのリフロー温度240〜250℃に対し十分余裕を持った融点300℃付近が好ましい。
  このような条件に合うのは従来のPbフリーはんだではAu−20Sn(共晶温度280℃)である。
  しかしAu−20Snは高Auで高価なため簡単には利用しずらい。
  そのため新たな高温用Pbフリーはんだの開発が必要となる。
  しかし合金の研究というのは相当なされており、新規の合金組成の開発というのは容易でない。


JEITA実装技術標準化委員会 2008






Calce



 住友金属鉱山
 


三菱マテリアル


DA5



Materion
引張強度MPa 密度 電気伝導率IACS 熱伝導率W/m℃ 熱膨張率μ℃ 20℃
Sn-52In 118 11.9 7.30 11.7 34 20.0
In-3Ag 143 5.5 7.38 4.5 73 22.0
Sn-37Pb 183 51.8 8,34 11.8 51 25.0
Sn-10Au 217 103.5 7.73 10.2 28 14.0
Sn-3.5Ag 221 38.8 7.73 16.0 33 30.2
Sn-5Sb 232-240 37.7 7,25 11.9 28 27.0
Sn-80Au 280 276.0 14.51 7.7 57 15.9
Sn-95Pb 310-314 27.6 10.80 8.1 35 28.4
Au-12Ge 361 185.6 14.67 11.4 44 13.4
Au-3.15Si 363 255.3 15.70 46.4 27 12.3


INEMI(Indium)

Conquer Tombstoning in Lead-Free Soldering,


 Kim









 Zeng 概観



 高Pb
 




 Au−Sn









 Au−Ge







 Zn−Al、Zn−Cu










 Bi−Ag


 Sn−Sb










菅沼 2009







  Bi−Ag系




  BiSb系


  Au−20Sn系



  Zn−Al系


   ZCA34:Zn−3Zu−4Al、ZCA35:Zn−3Cu−5Al、ZCA36:Zn−3Cu−6Al


  Sn−Sb系













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