(9−2) はんだ混合の金属学
Pbフリーはんだ及びはんだめっきはすべてに優れた特性をもつものがなく複数のものが候補となっている。
またPbフリー化の過渡期にはPbはんだとPbフリーはんだの混用も有り得る。
従ってPbフリーはんだにおいては異種はんだ合金の混合の問題が生じる。
Pbフリーはんだにおける異種はんだ合金の混合の問題は
(A) 過渡期におけるSnPbはんだ(はんだめっき)とPbフリーはんだ混合の問題(互換性compatibility)
(A−1) 後方互換性・・・Pbフリー部品とSnPbはんだ
Pbフリーはんだめっき部品とSnPbはんだ
PbフリーはんだボールとSnPbペースト
(A−2) 前方互換性・・・Pb部品とPbフリーはんだ
SnPbはんだめっき部品とPbフリーはんだ
(B) 異種Pbフリーはんだ及びはんだめっきの混合の問題
(B−1) 各種はんだと各種はんだめっきの組合せ
(B−2) 各種はんだの混合(リワーク、リペア)
(B−3) 低AgSACはんだボールとNESACペーストの混合
が考えられる。
(9−2−1) 各種はんだとはんだめっきあるいは表面処理の組み合わせ
各種はんだとはんだめっきも組み合わせではPbフリーはんだとSn−Pb、Sn−Biはんだめっきの組み合わせでの
低融点相形成、Bi含有PbフリーはんだとSn−Pbでの低融点相形成が問題を引き起こす。
今村 阪大
Sn−3.5Ag、SAC357、Sn−3Ag−5Bi、Sn−3.5Ag−2.5Bi−2.5In、Sn−37Pb
基板:耐熱プリフラックス、QFPCuリード:10μmSn−10Pb、0.3μmNi/0.08μmPd/0.01μmAu
接合部IMCはQFPリードもすべてCu6Sn5を基礎とする。(基板のCuパッドの影響)
高温放置でCu3Sn成長が見られるが、Ni/Pd/Auでは見られない。
Sn−3Ag−5Bi、Sn−3.5Ag−2.5Bi−2.5InではSn−10PbでBi−Pbリッチ相が接合部に生成。
Sn−3Ag−5BiではSn−10Pbの場合IMCが異常成長。これは低温相(Sn−Pb−Bi)の液相化によるとする。
HT:
398K保持
TC:233−398K
NPL
HASL:SnPb
ウェーヴはんだ用部品は表面実装接着剤で基板に接着。
温度サイクル:−55℃〜125℃、5分保持
結果概要
大きな部品(歪が大きい、2512抵抗)と従来のSnPbはんだが良く、小さいと(0603抵抗、SOIC)PbフリーがSnPbと同等か良い。
SACへのBi添加は利益がある。
温度サイクル後のせん断強度はすべてのサイクルでPbフリーはんだが大きい。
古河
Wulfert
Calce
SnPb HASLとSAC389の高温エージングで破壊モードがはんだバルクから界面に移行。
HASLのSnがCuと反応しIMCを形成し、弱い局在化したPb領域を形成。
(9−2−2) 各種はんだの混合
各種はんだの混合はリワーク、あるいはリペアで主に起こりうると考えられるが通常は特に大きな問題は生じない。
ただしSn−Bi、Sn−Zn−Bi、Sn−Ag−Biはんだなどの高Bi含有はんだのPb汚染は高温エージング等で大問題を引き起こす。
(Sn−Pb−Bi3元共晶低融点相の形成に起因)
→(9−1−2) Pbフリーはんだでの低融点相形成の影響
NPL
各種はんだの混合
SOICあるいはTH抵抗は故障検知されず、2512チップ抵抗の結果。
2512チップ・抵抗、PCB