(13−10−4) Pbフリーはんだ接合信頼性の問題点 


 Pbフリーはんだ(SAC系)のSnPbと比較しての特徴
  高剛性(E係数大、降伏応力大)、はんだ自体は高応力に耐え、低塑性で応力緩和しにくい。
  高リフロー温度で熱応力が大きいのに低クリープ(低応力緩和)で残留応力が大きい。
  はんだによる電極(特にCu)溶解(食われ)が大きい。
  界面反応が速い、IMCが成長しやすい。

  →はんだバルク以外の弱い部分が破壊
   接合界面層  →はんだ/IMC、IMCバルク、IMC/IMC、IMC/パッド
   パッド・リフティング  →ソルダ・マスクの影響(ソルダマスク規定SMD、NSMD)、はんだ層厚み(スタンド・オフ)
   部品本体  →Siクレータ、セラミック・チップ(キャパシタ)亀裂
   配線  →食われと亀裂
   積層板  →PCBパッド・クレータ)

  強度の温度依存性、ひずみ速度依存性の影響が異なる。

Pbフリーでの問題 2010



  部品についてみるとBGAにような大型なエリア・パッケージや部品自体が脆く、かつ金属端子のような応力緩和が困難な
 チップ・キャパシタなどでの故障が多い。
OKによると


CALCEによると

 PEM:Power electronics module

Blattau



@ 積層セラミック・キャパシタの亀裂

              


Calce キャパシタ 熱衝撃と曲げ(基板湾曲)による亀裂





AVX





Blattau




*対策として厚膜電極とNiの間に導電樹脂を介在させることが行われている。

TDK



A パッド・剥離、パッド・クレータリング、配線亀裂

  落下などのような高ひずみ速度衝撃でははんだはひずみ速度硬化を起こし、破壊はバルクはんだから
 接合界面さらにはパッド・剥離、パッド・クレータリング、配線亀裂へと移行すやすい。


Hillman 2010

PCBの強さ
   パッド・クレータリング
   電気化学マイグレーション
 パッド・クレータリング
  動的機械的事象で積層板内で亀裂発生。
   回路試験(イン・サーキット試験)、基板分割、コネクタ挿入、衝撃、振動・・・





  きっかけ
   微細ピッチ部品、
   高脆性積層板
   硬いstifferはんだ(SACvsSnPb)
   大きなヒートシンクの存在
  標準的手順では検出困難
   X線検査、染色浸透検査dye-n-pry、ボール・せん断、ボール・引き

Chong 落下試験


NSA 2011





NEC
  パッド剥離(ランド剥離)は温度サイクルで配線亀裂(断線)を招く。



B シリコン・クレータリング、ダイ破壊

  BGA、FCによるCOBなどではシリコン・クレータリング(ダイ破壊)を招く恐れがある。

koko

      




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