〔Y〕 部品の端子めっき及び回路基板の表面処理のPbフリー化
(14) 部品の端子めっき(はんだめっき)と基板のCu電極表面処理
従来、電子部品の端子めっき(電極めっき)ははんだめっきと称しSn−10Pbが主流であったがこのはんだめっきも
Pbフリー化を迫られた。
日本で主に候補となったのはPb以外でSnを合金化させたものでSn−Bi、Sn−Ag、Sn−Cuなどが検討された。
欧米では一部実績のあるSnめっきが主に検討された。
これに伴いウィスカ問題が再燃し、Ni/Au、Ni/Pd/Auなども検討された。Ni/Au系では無電解Ni(P)/置換Auの
いわゆるENIGが部品の端子めっきのほかに回路基板の表面処理としても検討された。
PbフリーはんだはSnPbはんだより濡れ性が劣るために回路基板には置換SnめっきImSn、置換AgめっきImAg
なども提案された。
(14−1) 部品の端子めっき
(14−1−1) 電子部品とめっき
・絶縁物への金属化層形成metallizing
PVD(スパッタ、蒸着)・・・厚くはできない(膜質、応力の発生、下地への影響)
UBM(Cr/Ni/Auなど)
回路基板
電解めっき・・・給電のための配線必要
無電解めっき
置換めっき
自己触媒型めっき(還元剤)
厚膜電極・・・金属粉+ガラスフリット
低温焼成型(〜850℃、Ag、Ag合金、Cuなど)・・・チップ部品(セラミック・キャパシタ、チップ抵抗など)
高温焼成型(〜1600℃、W、Moなど)・・・セラッミク・パッケージ(アルミナ・グリーンシート成形)
導電性樹脂
*厚膜電極と導電性樹脂はその上に更にめっきを形成するのが普通、直接はんだ付けは普通行わない。
導体貼合せ・・・回路基板
ディップめっき
はんだディップ・・・リード(金属片)端子
HASL(HAL)・・・ランド(平面電極)
・電極形態 詳しくは→ (13−10)
各種部品の接合信頼性試験
リード端子
挿入部品
リード型表面実装部品(QFP、SOPなど)
端面電極
チップ部品(キャパシタ、抵抗)
キャスター電極(側面溝電極)
ノンリード(QFN、SONなど)
ランド(パッド)
セラミック・パッケージ
LGA
回路基板
ボール・バンプ
BGA、CSP、FCB(COBなど)
部品と電極例
チップ部品(コンデンサ、抵抗)
厚膜電極(Ag、Cu等+ガラスフリット)|電解Ni|電解Sn
アルミナパッケージ、チップキャリア
高融点厚膜電極(W、Mo等)|無電解Ni|無電解Au
(ATカット水晶振動子) リードレス・セラッミク・チップ・キャリア(LCCC)
リード部品(ペリフェラル:SOP、QFP)
リード:Fe-Ni合金(42アロイ等)、Cu合金
はんだめっき:Sn
Sn合金(Sn-Pb、Sn-Bi、Sn-Cu、Sn-Ag等)
ニッケルめっき:無電解Ni/Au、無電解Ni/Pd/Au、電解Ni/Au
はんだディップ:はんだ(SnAgCu等)
エリア・パッケージ
BGA:はんだボール
CSP:バンプ+UBM
・リード端子、基板銅箔材質
リード端子金属・合金
42アロイ、コバール
Cu合金
銅箔(回路基板)
圧延銅箔(タフピッチ銅など、主にフレキシブル基板)
電解銅箔
黒柳 半導体パッケージ用Cu合金
表面処理とSAC387
(14−1−2) 電解Sn
Snめっきの最大の問題はウィスカである。これについては詳しくは後述。
Snめっきの種類
光沢(ブライトbright)
半光沢(サテンsatin)
マットmatte(艶消し、無光沢)
一般的にはマットが光沢より耐ウイスカ性にすぐれているとされるが、必ずしもそうでないという主張もある。(
Tyco)
Calce
*INEMIの定義:粒径とC量
Zhang Zhang
光沢、半光沢、つや消し・・・粒径とC量
Atotech マットの電流と組織
ローム 変色
Elmgren コネクターのめっき
IMC形成問題
Sn系めっきではSnとCuの反応によるIMC形成によるSn層消失とIMCの酸化による濡れ性低下が問題となりうる。
リフローSnめっき
めっき後、ウイスカ対策のためリフロー処理。
Su
QFPのSnめっき リフローの影響
コベルコ
鶴
リフローSnめっき