(14−1−3) Sn合金めっき

  Sn−Pbに代わる合金めっきはSn−Biを主にSn−Ag、Sn−Cuなどが提案された。
  Sn−Bi系ははBi量が多くなると脆くなるため、Bi<3%とされる。
  Sn−Agはめっきが難しいとされる。
  Sn−Cuはウイスカについて効果があるという場合と逆に悪化させるという意見がある。
  耐ウイスカ性でSn−Pbに匹敵するものはないようである。

Atotech
 合金めっきの難易度
   SnとPbの電気化学電位は近いが、Bi、Cu及び特にAgは高く、Snと差が大きい。





Henshall
 基板:OSP
 MQFP208:C7027
 SAC387
 部品めっき:マットSn、Sn−3Bi、Sn−3Cu





シャープ
 SOP44







 フジクラ 2002

 Sn−Agはめっき作業性に問題


古河
 タフピッチ銅




   エージング:155℃x16h (固相でのIMC成長)



  Sn−Biの特許問題 詳しくは→特許問題
    日立から下川 英恵氏らの名で特許が成立している。(特許3551167など)
    しかしこれは特開平10−93004により奇妙な修正がされたものである。
    Sn−Biは加工性(脆くなる)の点からBi<3%とされた。この点にふれられているならまだしもこれに
   一切ふれたものでないのにどうしてこのような特許が成立したのであろうか。

(14−1−4) 溶融はんだめっき(はんだディップ)

  主にディップ(はんだ浴槽への浸漬)によるはんだコーティング。
  挿入部品で多く見られる。
  Sn−Cu、Sn−Ag−Cuなどが利用される。
  Cu食われが問題となる。
  またSnとCuの反応によるIMC形成進行でSn層消失の可能性もある。
  めっきに対し、工程に伴う応力発生・蓄積が小さいためウィスカ危険性で有利とされる。


富士電機


日本フィラーメタル



(14−1−5) Ni/Au、Ni/Pd/Au

  Ni/Au系はウイスカ問題がないがコストとAuによる問題、無電解ではPにより生じる脆性的性質が問題とされる。
  NiはIMC層形成から通常厚みは2μm以上とされる。
  NiはSnとCuと異なる反応、IMC層形成するので注意が必要である。

  またNiは上に保護層としてAuを形成するがこのAu層が厚くなるとAuのIMC形成による問題を生じる場合がある。
  これらについては以下を参照。
  NiとAuめっきには電解法と無電解法(あるいは置換法)があり更に中間にPdを介在させるものがありその組み合わせは
 種々あるが主流は無電解Ni(P)/置換Auである。
  無電解Ni(P)/置換Auではブラック・パッドという現象が起きることがありこの対策として無電解Pdを挟むものがある。
  無電界NiにはPを含有するもののほかにBを含有するものがあるが、コストからBを含有するものは通常使用されない。

  保護層のAu層は電解Auが置換Auより一般的に厚い。

  詳しくは (14−2−4) Ni/Au、Ni/Pd/Auめっき を参照。

(14−1−6) Pdめっき

鈴木
 基材:C5210



 *Niめっきは10秒でもぬれない。


(14−1−7) 諸めっきの比較

  なお (14−2−5) 回路基板の諸表面処理の比較 も参照。

NEC ルネサス


富士通テン


  Bi>2%、Sn−Pbはフローでリフトオフ。
  Pd>0.1μmは接合界面にPdが残り温度サイクルでPdSn4として成長し亀裂原因となる。


小谷野
 


Nakadaira



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