(14−2) 回路基板のCu電極表面処理

  プリント配線板PWB(プリント回路基板PCB)のパッド(ランド)の表面処理

    プリフラックス(Cuへの有機被膜)
      ロジン系プリフラックス
      水溶性プリフラックス(OSP)
    置換めっき
      置換Sn(ImSn)
      置換Ag(ImAg)
    HAL(HASL、レベラー)
      SnAgCu
      SnCuNi
    Ni系めっき
      電解Ni/Au
      無電解Ni/置換Au(ENIG)
      無電解Ni/Pd/Au(ENEPIG)
        中心はENIG
    特殊なものとして
      置換Pd
      選択めっき
        ENIG&OSPまたはDIG
      直接置換Au(DIG)
      カーボン・インク

  キーボード接点でのAu代替




Frontiermaterials

  費用
   OSP<置換Sn<置換Ag<HASL<ENIG<<Ni/Pd/Au


(14−2−1) プリフラックス

  プリフラックスにはロジン系フラックスと水溶性のOSP(organic solderability preservative)があるがOSPが重要となっている。

四国化成 水溶性プリフラックス






DFR OSPの概観とOM



  OSPが透明で目視できないことと、ICT(インターサーキット試験)が不可能なため、これを可能とする有機金属OM被覆が
 提案されている。

 有機金属MO被覆

 上:OSP、下:ENTEK OM

  リフローによる変色



(14−2−2) HAL  

  レベラーあるいはHAL(hot air leveller)あるいはHASL(hot air solder leveller)は基板にフラックスを塗布して
 はんだ浴槽に基板を浸漬し熱風を吹きかけ平滑化する表面処理方法である。
  Pbフリー化によりCuパッドの溶解やIMC形成などが問題となる。
  レベラーは不均一性に問題があり、薄い部分ではIMCが表面に達し濡れ性劣化を引き起こす可能性がある。

 Pbフリー合金
  SAC0307、SAC305、SnCuNiなど




Alpha
  薄いとすべてIMC化し濡れ不十分となる。

            HASL層が認められる          IMC層だけでHASL層不在

  CuパッドとPbフリーはんだではリフローで約5μm程度のIMCは容易に形成される。

  厚み不均一


 縦型HAL装置


(14−2−3) 置換めっき

 無電解めっき
   置換めっき
       イオン化傾向の差によるが、イオン化傾向はめっき浴(添加剤)によって違ってくる。一般的には
         Au<Pt<Ag<Cu<Pb<Sn<Ni<Fe<Zn
       たとえば錯イオン化(シアン化物など)の場合
          Cu2+/Cu(0.34V)、Sn2+/Sn(−0.14V)、〔Cu(CN)/Cu(−0.43V)
   自己触媒型
      Cu、Ni、Co、Au、Ag、Pd、Pt、In、Snなど
      還元剤(ホルムアルデヒド、テトラヒドロホウ酸塩、ホスフィン酸塩など)の添加。→P、Bなどの共析。

  置換めっきで基板の表面処理に利用されるには置換Snめっきと置換Agめっきである。

@ 置換Snめっき(浸漬ImSn)

  置換Sn
    長所
     安価、濡れ性良
    欠点
     はんだマスク侵食、Snウィスカ、IMC形成



Atotech


NCAB
  IMC層の形成、リフローによるSnの減少


A 置換SnAg(浸漬ImAg)

OMG 置換Ag


  変色防止剤使用する。(アゾール系、チオール系)

Indium Liyakathali
 置換Ag
   厚み:0.08〜0.3μm
   欠点
    退色、Agマイグレーション、平面状マイクロボイド、クリープ腐食(塩、S)




  はんだマスクの侵食




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