(14−2−4) Ni/Au、Ni/Pd/Auめっき


Ni/Au系はウイスカ問題がないがコストとAuによる問題、無電解ではPにより生じる脆性的性質が問題とされる。
  NiはIMC層形成から通常厚みは2μm以上とされる。
  NiはSnとCuと異なる反応、IMC層形成するので注意が必要である。

  またNiは上に保護層としてAuを形成するがこのAu層が厚くなるとAuのIMC形成による問題を生じる場合がある。
  これらについては以下を参照。

 (11−4−3) 無電解Ni−Pの界面反応層 
 (11−4−4) 無電解Ni-PにおけるP量の影響
 (11−4−5) Ni製法の比較
 (11−4−6) Au厚みの影響
 (11−4−7) Ni/AuとNi/Pd/Auの比較

 (11−8−5) NiP基材での剥離
 (11−10) AuSn4再堆積問題

 (16−7−3) 部品の接合強度の試験結果例


 Ni系めっき(電極形成)の概要

  Ni金属化層の製法
   スパッタ・・・主にUBM
    Ni
    Ni(V)
   電解
   無電解
    Ni(P)
    Ni(B)
     無電界NiにはPを含有するものとBを含有するものがあるが、コストからBを含有するものは通常使用されない。

   保護層のAu層は電解Auが置換Auより一般的に厚い。
   また無電解Ni(P)/置換Auではブラック・パッドという現象が起きることがありこの対策として無電解Pdを挟むものがある。

   Au厚みはおよそ以下である。
    電解
     薄付け        0.1〜0.5μm
     厚付け        0.5〜1.5μm
     硬Au:純度99.6%
     軟Au:純度99.9%
    無電解
     薄付け(フラッシュ) 0.03〜0.05μm
     厚付け          0.1〜0.5μm
     (特別)          0.5μm

   厚みの変動はZengによると
     電解
      Ni:5μmに対し±1μm
      Au:0.7μmに対し±0.2μm
     無電解(ENIG)
      Ni:5±0.5μm
      Au:0.1±0.02μm

    厚付けは特にワイヤボンディング用、硬Auは接点用


 Ni/Auの欠点、懸念事項
  脆いことによるフレキブル基板での亀裂
  形成IMC相がCuと異なる
  保護被覆Auの影響
  無電解NiではPの影響

 種類
  電解Ni/Au
  無電解Ni-P/置換Au(ENIG)
  無電解Ni-P/Pd/Au

 特殊なもの
  選択ENIG
   *ENIGの界面IMC層の脆性的破壊をきらう、特にBGAなどの部分についてはENIGを避け、OSPなどとする
   ものであるが、レジストのENIGへの影響、OSPのENIGへの影響などが懸念材料となっている。
  DIG(直接置換Au)
   フレキブル基板などでNi層の脆さを気にする場合など。
  チップ部品のNi/Sn

  NiとAuあるいはPdについては各々電解と無電解あるいは置換があり複雑な組み合わせがあり得る。

  以下にこれまでに紹介していない話題を紹介する。


 Jeon ENEC/OSP  Ni−P/Cu/OSP
  ブラック・パッド回避のため薄いCu層(〜1μm)を形成。









OMG
 Pd活性剤によるNi−Pの成長



JAXA

   EN:無電解Ni、EP:無電解Pd、IG:置換Au、EG:電解Au







杉崎
 還元剤としてジメチルアミンボランを使用しNi−B系めっき
 浴の制御が困難
 Bi含有量は少ない、6重量%以下。通常1重量%以下。

ミクロエース



Shin Pd厚さとボイド
 無電解Ni/無電解Pd/置換Au
 Sn-1.2Ag−0.5Cu(LF35)
 前処理:85℃、85RH%、3Hとリフロー3回
 温度サイクル:−55〜125℃


 界面IMCは(Cu,Ni)6Sn5




  ボイドはガス巻き込みか(Pd,Ni)Sn4のクリープ


Sohn





Atotech
 無電解純Pdめっき(Pが共析しない)とAu被覆にないENEPの可能性

  純Pdが柔らかい。






土田 微量添加物の影響






   EがCより平坦。Eが他の欲よりIMCの形態良好。

  結論
   重金属を含まないめっき浴は信頼性低下。


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