(18−3−2) Pbフリーはんだ接合の破壊モードと界面IMC層

  Pbフリーはんだは分散強化型合金でSnPbはんだより剛性あるいは強度が高いことより
 バルクはんだでの塑性変形、応力緩和がしにくく、はんだ接合界面に応力集中しやすい。
  またリフロー温度が高く、かつ高SnはんだであるためCuランドとはんだ界面に脆いIMC層が成長
 しやすい。
  以上のPbフリーはんだの強度が高いことと、接合界面に脆いIMC層が成長しやすいことを受けて、低融点
 相形成成分が存在しなくてもIMC層で剥離するフィレット剥離が起こりうることが明らかになった。
  更に信頼性試験においてもPbフリーはんだでは界面剥離が生じやすい。
  この界面剥離は特に高ひずみ速度の応力負荷で生じやすい。
  更に高リフロー温度による影響もあり、Cuランド自体の積層材からの剥離であるランド剥離や、Cuランドが積層材
 ごと剥離するパッド抉れ(クレータリング)などのSnPbはんだでは出現しない破壊モードがPbフリーはんだでは
 出現することが明らかになった。

  Pbフリーはんだに伴う挿入実装部品THDの種々の欠陥
Havia



千住  低融点相形成によるフィレット剥離と界面IMCの脆性破壊




三宅  Cuパッドとの接合界面IMC

  特有の形態−帆立貝殻状と称されるCu6Sn5層が形成される。


Pbフリーでの問題 2010



IBM
 はんだボール接合における破壊モードの模式図(JEDEC)






  パッド剥離と積層材クレータリング



Darveax  はんだボールの界面破壊

  界面微細構造 はんだと基材(パッド)
 


  試験条件  エージング:125℃x24h、BGAあるいはFC


  破壊様式(モード)



  界面破壊での基材種類と破壊位置
   Cuパッド


   Al/NiV/Cu UBM


   Ni(P)とSAC305


   電解NiとSAC305


  いずれも(Cu,Ni)6Sn5が形成されていない。

 延性−脆性遷移




(18−3−3) ランド(パッド)剥離、パッド抉れcratering(積層材抉れ)


@ フロー工程でのTHDのランド剥離

NEC 
  パッド剥離(ランド剥離)は温度サイクルで配線亀裂(断線)を招く。


SMART GROUP




Henkel



 *ランド剥離特許
  特開2002−237674(特許3686861) 優先日(2000.12.8) 日本電気 石塚 直美ら
  はんだマスク規定SMDパッド(パッド周辺をはんだマスクで覆う)


A パッド抉れ(積層材抉れ)


Hillman 2010

 パッド・クレータリング
  動的機械的事象で積層板内で亀裂発生。
   回路試験(イン・サーキット試験)、基板分割、コネクタ挿入、衝撃、振動・・・





  きっかけ
   微細ピッチ部品、
   高脆性積層板
   硬いstifferはんだ(SACvsSnPb)
   大きなヒートシンクの存在
  標準的手順では検出困難
   X線検査、染色浸透検査dye-n-pry、ボール・せん断、ボール・引き



Chong 落下試験


NSA 2011





B セラミック・キャパシタの亀裂とダイ(シリコン)・クレータリング

Calce キャパシタ 熱衝撃と曲げ(基板湾曲)による亀裂



Blattau




ヴァージニア工科大

      




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