(13−7) 機械的衝撃 

(13−7−1) 機械的衝撃試験

  ひずみ速度は各種試験で通常
    クリープ速度    10−8〜10−5−1
    熱サイクル試験  10−4〜10−2−1
    静的引張試験   10−3〜10−2−1
    落下試験      約10/s




   ひずみ速度硬化による強度上昇と破断モードの変化
   破断モードではバルクはんだから接合界面(界面IMC)、更にはパッド金属層剥離やCu配線破断、パッドえぐれ(基板積層材亀裂)
  に変化する。

  機械的疲労
    衝撃→低繰り返し、高振幅
    振動→高繰り返し、低振幅


   繰り返し基板曲げ→変位駆動
   機械的衝撃→パルス負荷(加速度)による基板振動
     基板での機械的振動や落下衝撃では多様な振動モードが発生し得る。
     基板支持方法や基板位置で大きな差が生じる。


機械的衝撃と振動負荷
  破壊的衝撃試験

 

 JEDEC JESD22−B117Aによればはんだボール試験でツールの移動速度は
   低速度 0.0001〜0.0008m/s
   高速度 0.01〜1.0m/s


 JIS C 60068−2−27
   衝撃試験
    規定のピーク加速度及び作用時間の標準パルス波形の衝撃

 波形例



  機械的衝撃試験の代表的なものは基板落下試験だがそのほかの試験も検討された。

  機械的衝撃試験の例
    ロッドの落下による衝撃 日立

  繰り返し衝撃曲げ試験:150gロッドの落下。落下高さ75〜200mm。



 繰り返し衝撃曲げ試験の基板長手方向ひずみ



  繰り返し曲げ:3点曲げ(スパン50mm)、変位幅0.45〜2.0mm、0.5Hz三角波。・・・変位制御
  繰り返し衝撃曲げ試験:150gロッドの落下。落下高さ75〜200mm。


  変位が大きくなると(繰り返し衝撃曲げ)SAC305がSn−37Pbより悪くなる。


  SnPbは両方ともはんだ内部亀裂、SAC305は衝撃曲げでは界面亀裂。

  (はんだが塑性変形しにくいので界面に大きな負荷)


 *plain試料:円筒型直径15mm、肉厚2mmの破壊寿命
  繰り返し曲げ試験は変位制御のためSAC305とSn−37Pbで変位に差はないが、温度サイクル試験では
 SAC305が塑性変形しにくいためSAC305とSn−37Pbで変位に差が生じている。


鋼球落下

 5.4g鋼球、500mm高さ、中心に落下し測定は10x10mmずれている。

振り子式衝撃疲労試験 Roggeman
  Roggemanらは振り子の質量を小さくしBGAの繰り返し衝撃疲労試験を行っている。

 256I/OBGA、SAC305750μm球。




 JESD22−B111による落下試験結果


 OSPはCu6Sn5層経由亀裂、ENIGはNi3Sn4層内とCuパッドとの界面に沿って

  振り子衝撃試験結果

  2.12mJの倍場合






JESD22−B104C 機械的衝撃 
 部品レベル

JESD22−B110A サブアセンブリ機械的衝撃
 加速度、速度変化、パルス継続(作用時間)







矢口

様々な衝撃

 実機の落下衝撃により生じる基板ひずみ



 基板の分割切断工程による基板ひずみ



基板の落下によるひずみ


 ジグでの基板落下試験






 (長軸方向)


 ひずみは基板水平方向が他の方向より大きい。




ボール:SAC3575、ペーストSnPb、PWB:無電解Ni/Au


 基板の固定方法も影響する。


 落下棒衝撃試験



 ボールとペースト同じ組成










 Sn−Pbでは破断モードが変化


 静的曲げ




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