Pbフリーはんだの金属学的基礎
                                                   


(16−3−4) 特殊高融点Pbはんだ代替材料

  合金組成により300℃前後の実用的高温はんだを得ることは難しいのでいくつかの代替案が検討されている。
  その第1は液相線を上昇させ(固相線は変化しない、過共晶化)、即ち固液共存範囲を広げ、固相量をふやすというもので
 Sn−Cu、Sn−Zn系などで検討された。
  第2ははんだ中の残存Snを金属と反応させ高融点のIMC化するというものでCuやAgの添加が検討された。
  第3はAgなどのナノ粒子の融点降下現象を利用するというものである。
  しかしいずれも問題を含み実用に程遠い。


@ 液相線上昇型代替材料(広固液共存範囲)

  過共晶化による固液共存状態での固相量をふやす方法の基礎となるのは状態図である。
  以下にSn−Cu、Sn−Zn系2元状態図を示す。

   Sn−Cu系


   Sn−Ag系



 Zn−Sn 

菅沼 2009 Lee Suganuma

















Lee






A 接合部IMC化型代替材料

  はんだ中のSnを高融点金属と反応させ高融点のIMC化する方法で、Snに多量に溶解し速やかにIMCを形成する
 Ag、Cuなどをはんだ粒子中に分散させるもので、原理的には粗大なAg、Cuなどを分散させAg、Cuマトリクスの周囲をIMC網目
 化する方法と微粒のAg、Cuなどを分散させ接合部全体をIMC化する方法が考えられるが、現実的には種々の理由で空隙が生じ、
 すかすかの脆い状態となる。
  下にSn−AgはんだとAg粒子を例に模式図で示す。



岡本



B ナノ粒子型代替材料

  Zn系は耐腐食性に劣る、Au系は高価、Bi系は脆いという欠点がある。
  そこでナノ粒子(ナノペースト)の低温焼結性の利用が検討された。

Jiang


Huang



Yang


ハリマ



  260℃、60分


  ナノ粒子とマイクロ粒子の混合




阪大 西川 



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