(15−9) 部品のウィスカ

(15−5−15) ウィスカと部品


@ ICリード・フレーム (足きりtrim、曲げforming)

ROHM
 






FC

 1:Flat、2:Bent、3:Tip、4:Scraped



応力の影響







Ding
  整形trim(足きり)と成形form(曲げ)の影響
  64LQFP:10x10x1.5mm、0.5mmピッチ。
  132PQFP:25x25x2mm、0.65mmピッチ。
  めっき:マットSn、10μm厚み、モールド後めっき。



  整形、成形の影響



  粒が小さいとウィスカが発生しやすい。

 AATC:−55℃〜85℃

  粒が大きい3域が密度低い。


  ウィスカは粒界の交差部に通常核生成するので、粒寸法が小さくなると交差部が増え、ウィスカ密度増加する。


SACはんだ
 SAC305、42アロイ・リードフレーム、60℃、20−30RH%、電圧サイクル、10日
  両面
    トップ 圧縮
    ヒール 引っ張り
  長いフィラメント、太く短い棒状、ヒロック、殻状
  特に棒状と殻状に筋
  フィラメントはSnだけ検出
  他はSnと若干のAg3Sn、Cu6Sn5
  ウィスカは多くはヒロックから、ヒロックはAg、Cu欠乏はんだ
    はんだは再結晶構造 ヒロックの根元が小さい、ヒロック内部は1、2個の大きな粒








Wei アニールとリフロー処理によるCuリードフレームの酸化で促進されるSnウィスカからの解放
 アニールとリフローの影響
  電解マットSn:10−12μm
  アニール:ピーク220℃、リフロー268℃



   製造上がりのHH試験


   アニール処理品のHH試験


   リフロー品のHH試験







   製造上がり品はHHで全Sn層酸化。(EDSでSn酸化物)(a)
   アニール品は酸化は激しくない。表面だけが酸化。(b)
   リフロー品はほとんど酸化されていない。(c)
   ウィスカの根元付近のFIBではウィスカは非酸化部分から成長。
   Sn粒は柱状columnar、Sn粒界にCu6Sn5は形成されていない。IMC形成が駆動力ではない。
   ウィスカ根元近くに白いパッチが出現、これはSnと酸素からなる。多結晶SnO2.

   IMCはリフローが最も厚い。

   アニールで柱状組織のまま粒寸法増加。



   リフローでは厚み変動がおき、厚い部分では粒は等軸化。


  *図の説明のtopはtipの誤り。
  端子端部、端部はすべてで腐食、SnとCuのガルバニック腐食による。


  端子上端、モールド部付近。やはり腐食発生。
  加工による残留応力の熱処理による解放の程度が腐食に影響。


 Atotech






A コネクター


Tyco
  ROHS前は光沢birghtSnPbがコネクタ、端子表面処理の60−70%。
  ブライト(光沢)めっきは外観、検査性、はんだ濡れ速度、硬度、めっき投入電力などから好まれている、
  一方マットmatte(つや消し、無光沢)は低有機物によるはんだ付け性改善、擦過(摺動)腐食減少、低費用などにより好まれる。
  ROHSによりウィスカ危険性を理由に一般的に光沢Snは禁止されるようになった。
  圧縮応力がウィスカ成長を駆動、しかし実用的には圧縮応力は不可避。
  一時的応力事象
   整成 trim(切断加工)と形形form(塑性加工)
    めっき後曲げ
  継続的応力付加
   封止(被覆)接触、締りばめinterference接触
  プラスチック筐体との締りばめを利用するコネクタではめっきが継続的応力状態となり、この付近でウィスカ径製
   仮定→光沢めっきの高い硬度がウィスカ形成を遅延させる降伏応力をもたらす。

  マットSn

  結晶方位(220)に強いピーク、しかし工程によるものではない。

  光沢Sn  *倍率の違いに注意(目盛は10μmと1μm)

  結晶方位はほぼ無秩序だがすこし(101)、(112)優先。

  60℃、90%RH


  耐酸化性は光沢が良い。



 *Snめっき剥離




  カード・エッヂ・コネクタは光沢めっきが良い


*プレス・フィット・コネクタ

プレス・フィット


Tyco プレス・フィット



TYCO



Tranitz
 23℃、40%、1000h












*コネクタ(FFC/FPC)


森内





 コネクタ:0.5mmピッチFPC/FFC用コネクタ(接触力1.8N)、めっき厚:Ni下地2〜3μmSn
 FFC:リフローSnめっき2μm
 条件1000時間または1000サイクル、60℃、93%RH、−55〜85℃
 室温>15℃>25℃>36℃>高温高湿>温度急変


  FPC:Ni下地0.2μmAu
  厚みの影響
   無光沢SnCu
   厚み:2μm、4μm、10μm
  潜伏期間 4μm<2μm<10μm
  10μmが発生率少なく、潜伏期間長い

  めっきの種類では無光沢SnとSn1.9Agが良好でSn2.4Cuが劣る。SnPb、SnBiが最も良い



  ファインピッチ・コネクタにFFCを嵌合



 リコー



  嵌合試験:1N/ピン、500h



                                     赤線:1μm
  極細ニードル型(塑性流動)とコラム型(高速拡散)は形成機構が異なる?


 ソニー


   温度、湿度によってウィスカ成長は加速しない、再結晶温度が常温付近にあるため。


  外部応力負荷試験





  ウィスカ成長挙動・・・・根元から成長
    めっき表面のマイクロボールのウィスカ成長に伴う移動。



  溝によりSn供給遮蔽で成長停止。溝付近にはノジュール型ウィスカ発生。



  熱処理によって表面付近に析出したAg3SnがSnの拡散経路を遮断しウィスカ成長抑制か?


菅沼 2008年




 圧痕下は柱状晶から大きく変化、圧痕縁のウィスカ発生近辺では著しく再結晶。




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