(17−2−6) 銀の腐食
Hillman AgとS
MFG:混合流動ガス
厚膜部品のAgの硫化
置換AgめっきPCBのクリープ腐食
ソルダ・マスクの影響
非ソルダ・マスク規定が硫化していない。
ENIGとソルダ・マスク
MFG試験条件(各種ガスの影響)
OCS:硫化カルボニルがH2Sと同等の影響を与える。
Hedlund 硫黄の花
チップ部品の厚膜電極のAg露出によるAg硫化
ASHRAE
S含有ガスによるAgの硫化銀の花
石川 1
石川 3
石川 4
*銀硫化物から成長する銀ウィスカ
Chudnovsky
H2S、OCS、CS2、SO2のような硫黄性ガスが大気中にあると硫化銀を主成分とする銀腐食物が生成する。
十分に厚いAg2S層の存在と高い温度(140℃以上)で銀ウィスカが成長する。(銅の上のAgめっき)
外観
形態と化学組成
銀光沢のウィスカは94〜99.4%の銀よりなる。あるものは4.5%までの銅を含む。
黄色い光沢のウィスカは7〜33%の高濃度の銅を含む。
銀光沢の1本のウィスカの長さ方向の1−2mm毎の組成例は安定で銀は97.3〜99.4%で銅と硫黄は〜1.4%。
ウィスカ表面の硫黄量は〜9%。
暗いウィスカは表面で金属光沢のウィスカより多くの硫黄を含む。
腐食物の表面から集めたフレークは銀、銅、硫黄を含み銀と銅の硫化物に対応。
*硫化銀ウィスカ
春日部
今まで提案されたウィスカ成長機構
(1) ラセン転位機構
ラセン転位を含む小さな結晶からラセン状の階段の回転に伴ってウィスカ状に成長。
(2) Frank−Read源の上昇機構
転位が2つの極のまわりを回転しながら単原子層の円板をつぎつぎに生み出し表面に出て成長。
(3) VLS成長機構
低融点の共晶合金が液滴となり優先的に捕らえられた原子が合金の液滴中を拡散して下地結晶
との境界面に析出し液滴を先端にのせたまま成長。
(4) コッセル機構
完全結晶面である側面の2次元核形成の頻度が極度に小さく側面に吸着された原子の表面拡散により
先端へ原子が供給されウィスカが成長。
(5) 不純物効果
不純物により結晶の先端の成長が促進あるいは側面の成長が抑制されてウィスカが成長。
硫黄雰囲気中での銀表面へのウィスカ成長
結晶構造は成長方向が〔100〕方位で面が(001)のβAg2Sのアカンタイト単斜晶形の単結晶。