(11−8−9) Kirkendallボイドと関連問題
@ 不純物等の影響
Sの影響 Yu
残留Sとボイド
Pb−Sn/Cu、Sn−Ag/Cu、Sn−Ag−Cu/Ni(P)など4はんだ接合部にKirkendallボイド形成が報告されている。
しかしロールCuにはボイドが形成されず、電解めっきCuに形成されるという報告や電解Cuの不純物がボイドの原因とする報告もある。
KAISTのYuらはロールCu箔(A)、 ビス(3-スルホプロピル)ジスルフィドSPS不使用電解めっきCu(B)、SPS使用電解めっきCu
(C:SPS少、D:SPS多)とSn−3.5Agの反応を比較。
ボイドはSPSがないとCu3Snに均一分布(B)、SPSがあるとCu/Cu3Sn界面(C)、
SPSの多いDはCu3Snが薄く、まばらで界面はほとんどボイド。
150℃、960hエージング
落下衝撃ではAの破断位置はCu3Sn/Cu6Sn5界面、DはCu/Cu3SnのKirkendallボイド沿い。
残留応力とS偏析がボイドの原因
Vuorinen Ni(P)の反応層の空隙はKirkendallボイドでなくて有機物。
SAC387、9%PのNi(P)、0.02μmAu、ピーク温度240℃、
NiPでも有機物(めっき浴)がボイドの原因。
IMCとNi(P)の間に薄く暗い層、これは下の厚くて暗い層と上の明るくて薄い層の2層からなる。
Ni(P)の隣は結晶質のP富化N−P含有層でNi3P。
Ni3Pは柱状構造で柱間に有機不純物を含むように見える。
Ni3Pに接する3元系層はNi、Sn、Pよりなり、空隙状の小さな欠陥を含む。
こんな短時間で反応相に形成されているのでKirkendallボイドではない。
なによりリフロー5回と170℃、64hアニールで空隙は数、寸法で変化していない。
170℃、64hs
空隙は有機物を含む。(恐らくめっき浴から)
高PのNi(P)ではNi3Pが抑制される。
Bi誘起
Shang瀋陽 Bi誘起のボイド
Shin
Pdの影響
A 微量合金化の効果
Kim
Sn−3.5Ag/Cu
硫化物形成成分の添加がKirkendallボイド形成を遅らせるという観点からZn、Mn、Crを添加。
Sn−3.5Ag−0.5X(X=Zn、Mn、Cr)
Zn、Mnに効果
IBM Kang
Zn添加によるCu3Sn抑制に伴う効果。
B KikendallボイドとCu3Sn成長の特異な関係
Huang
Cu基体の結晶方位による差、無秩序な配向と優先性のある配向で差がある。
Kikendallボイド生成がCu3Sn成長に影響。
無秩序配向Cu基体のボイド成長が遅い。
配向性のCu基体ではエージングで1度Cu3Sn層が消失してから再成長。これはKirkedallボイドの影響。
配向性Cu基体でのCu3Sn形成機構
Kim
Kirkendallボイド誘起2次IMC形成
Sn−3.5Ag/Cu、SPS添加電解めっきCu