(11−5) Ni合金基体

 ある程度のはんだとの反応性(=濡れ性と接合性)を保持しつつできるだけ反応の小さい(IMC成長の遅い)電極材料が接合界面の
強度、信頼性上望ましいと思われる。
 単体ではPt、Niなどが限界であり、これ以上の改善には合金化が考えられる。
 それにはNiのような比較的反応性(及びSnへの溶解)の小さい金属を、Snと反応しにくい、高融点金属と合金化することが考えられる。
 ただしCu含有はんだではCu6Sn5が形成されるかどうかも問題である、Fe−Ni合金ではCu6Sn5は形成されないとされる。

*特許3682758(特開2000−195885):富士通ではNi−Cr、Ni−W、Ni−Moが請求されている。

(11−5−1) 高融点金属との合金基体

(A) Ni−V

 Ni−V合金はUBM用としてスッパッタで製作される。
 NiとVはいずれもSnとIMCを形成する。

Chen
Sn−0.7CuとNi−7Vの固相反応
 160℃、180℃、210℃ではCu6Sn5だけ。
 210℃ではCu6Sn5、Ni3Sn4のほかに4元系Q相形成、Q相はN3Sn4のナノ結晶と
 アモルファス相の混合物。210℃で更にエージングするとQは直接はんだに接触するようになり、すでにあるQ内にNi3Sn4が核生成し、
Ni−V/Q/Ni3Sn4/Q/Ni3Sn4/Cu6Sn/Sn−Cuとなる。

Chen
  
  Sn、Sn−Ag
  250℃、12h
  V>5%以上でNi3Sn4のほかに3元系相Tが生じる。
  L/Ni3Sn4/T/Ni−V
  
Chen
 時間間違いか?

 T/Ni3Sn4/T/Ni3Sn4



固体アモルファス化反応

Chen






Sn−patch
 Ni(V)を基礎とするUBMでのNi(V)層でのSnリッチ領域
 Cu6Sn5の粒界付近の拡散の速い場所に形成。
 Niがはんだ中へ、はんだのSnがNi(V)へ拡散し、
リフローで結晶質NiとアモルファスSnリッチ相が形成され、熱エージングで
アモルファスなSnリッチ相とV2Sn3相となる。Snパッチ領域はやがてNi層全体に
拡大していく。

 




 200℃、1000h




 石川 NiV









Zeng 6つの場合 











AuのNi(V)消費加速



Zeng プレゼン 

 ? 写真はCu/Ti


 Lu Al/Ni(V)/CuのUBMにはんだのCu量を変えてみているが、UBMのCuの厚さが不明で評価が難しい。


(B) Ni−Mo

国立台湾科技大顔
270℃、2h


240℃、2h



劉 論文




 Ni-2.0Mo


生成IMCは 
  Sn(Ni3Sn4)、SAC305(上Cu6Sn5、下Ni3Sn4)、Sn−9Zn(Ni5Zn21)


 a:Sn/Ni-0.7Mo、b:SAC/Niー2.0Mo、c:Sn-9Zn/Ni-2.5Mo


(C) 無電解Ni-W−P

Dong
無電解NiWP/置換0.1μmAu
 







Yang Sn−3.5AgとNi−W−P
 6−7wt%P、14−16wt%W

 



 Ni−W−Pはボイドが生成せず、成長も遅い。

Chen
 



(D) Ni-Co

Ni−Co合金基体  阪大山本




カップリング Ni/Sn−Ag/Au/Ni−20Co
 


Sn/Co−Ni

Sn Ni−Co
Chao







Chen SnCu/NiCo 




Co-P




 Ni−Co












Sn Ni−Co
Chao








 Ni−Co−P 阪大Daito
  SAC305
  無電解Co−P/Au、Ni−Co−P/Au、Ni−P/Au、Auはフラッシュ
 



Chen SnCu/NiCo





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