(11−4) Ni基体との界面反応
(11−4−1) 各種はんだとの反応
SnあるいはSn−X(X=Pb、Ag等)とNiの界面反応で形成されるのは通常Ni3Sn4。
IMCの厚みはCu基体に比べ薄い。
SbはSnを置換。
Cu含有はんだの挙動は複雑なのであとで詳しく述べるとしてCu非含有はんだ(Sn、SnPb、SnAg、SnBi)を主に紹介する。
Shen
SnあるいはSn−X(X=Pb、Ag等)とNiの界面反応で形成されるのは通常Ni3Sn4であるが、Ni3SnとNi3Sn2という説もある。
Ni3Sn4の形態(morphology)については更に種々あり、ウイスカー状、丸くて平滑な表面(ノンファセット)のホタテ貝殻状、先が尖った
ホタテ貝殻状(ファセット)、薄い連続層、一様でない折れた層、塊状(chunk)など種々な報告がなされている。
純NiにSn−3.5Ag、Sn−3.5Ag−0.75Ni、523K、1分のリフロー
IMCはNi3Sn4でSn−3.5Agでは界面の層とNiに埋め込まれた不連続な層の緩んだ形状で、Sn−3.5Ag−0.75Niでは
連続で一様な形状。
エージングではんだ中にNi3Sn4が粒状の遊離。
(method V:Ni消費量から計算)
Huang
0.1μmスパッタTi/0.5μmスパッタCu/Cu/Ni、はんだSn−3.5Ag。
UBMの電解Cu/Niの厚みを5/3、3/2、0/1と変えているが意味不明でかえって解釈しにくくしている。
Snリッチ相の粒成長と球状Ag3Snの析出
150℃エージングでのNi3Sn4 IMCの厚みとNi消費は
He
スパッタと無電解Niの比較、はんだSn−3.5AgとSn−37Pb
Cr/スパッタ1.0μmNi/0.3μmAu
無電解Ni−P(12.5at%)/置換Au
エージングでSn−37PbとスパッタAu/Niにだけ(Au,Ni)Sn4が形成。
Auの拡散はSn中よりPb中が速いのが関係。
*Ni界面へのAuSn4の形成はAu厚み(あるいはNiの形成法)とはんだの種類が関係していることを示唆している。
Pbが(Au,Ni)Sn4より多くAuを含有。
Ni−Pにのみボイド生成。
He 固相反応 Ni−P
Sn−37Pb、Sn−3.5Ag
スパッタ1000ÅCr/スパッタ1μmNi/無電解5μmNi(12.5Pat%)/Au
130℃、100h (a)Sn−3.5Ag、 (b)Sn−37Pb (以下同様)
130℃、400h
Sn−37Pbのボイド、170℃で100hと625h
Sn−3.5Agのボイドと模式図、190℃、400h
He 南洋工科大
SnAgとSnPbとNi(P)
液体反応 He
スパッタ1μmNi/0.3Au、無電解Ni-P/0.05μmAu
固体反応
スパッタ1μmNi/0.1Au、無電解Ni-P/Au
Wang
SnCu Ni−P(10wt%P)/0.06Au
250℃、30s、1、5、10、20min
Sn/Ni(P)に比べSn(Cu)/Ni(P)でのNi3Pの形成はCu−Sn IMC形成による制約を受ける。
Cuの効果
(a)30s(b)1min、(c)5min、(d)10min、(f)20min
その2
固相反応でのCu効果
強度へのリフローの影響
強度へのエージングの影響
純Sn、150℃
Sharif
SAC355、Sn−3.5Ag、Sn−0.7Cu、無電解Ni/0.5μmAu
その2
BGA:Sn-3.5Ag、SAC355とパッド:電解Ni/0.5μmAu
大阪大平森
無電解Ni−10P/AuでAuは50、250、500nmではんだはSn−3.5AgとSn−3.5Ag−0.75Cuのはんだボール。
513Kピークで60秒のリフロー条件。
Sn−AgではAuコート無とAuが50nmでは界面にNi3Sn4形成。
Auが250nmと500nmでは明瞭なNi3Sn4が界面には見られない。
AESでは不連続なNi3Sn4が見られる。薄いNi−Sn−Pの連続層が形成されている。
またSn−AgではAuにかかわらずPリッチ層が存在。(Ni−P/Pリッチ層/Ni−Sn−P/はんだの構造)
Ni−Sn−Pにはマイクロ・ボイドが存在。
Sn−Ag−CuではAuにかかわらず(Cu,Ni)6Sn5が形成され、Auコート無とAuが50nmではPリッチ層は観察されない。
Auが250nmと500nmではPリッチ層が存在。
エージング(423K、1.8x10
6秒)でSn−AgではPリッチ層とNi3Sn4が成長。
Sn−Ag−Cuでは(Cu,Ni)6Sn5が成長し、Pリッチ層は変化なし。
冷間押し試験ではSn−AgはPリッチ層が露出(Pリッチ層とNi−Sn−Pの間で破壊)、エージング後のものはしばしばNi3Sn4が見られる。(Ni3Sn4とはんだに間で破壊)
Sn−Ag−Cuでは破壊面はNi−Pめっき層に位置し(Cu,Ni)6Sn5が一部見られる。
エージング後はNi−Pめっき層と(Cu,Ni)6Sn5の両方の間。
熱間押しでは表の通り。(図は模式状態)
Jeon
Sn−Bi
Sn−58Bi Yoon 成均館大
Cuと無電解Ni−P(Auの有無不明)
はんだ付け状態では界面IMCはCu6Sn5、Ni3Sn4それぞれ0.45μm、0.12μmと
Sn量が少ないこととリフロー温度が低いせいかkなり薄い。
Cu6Sn5はほたて貝殻状というがはっきりしない。
エージングでIMCが成長し、Snが不足し、IMCとはんだ界面にBiリッチ層が形成されている。
IMCはCu6Sn5とCu6(Sn,Bi)5の2層化し、このため界面の結合が弱化し、界面脆化をもたらす。
Wang
Sn−Sb
Sn−Sb Ni
Sn−Sb/Ni界面反応はSn/Niと同じで270℃と320℃はSn−Sb/Ni3Sn4/Ni
400℃と500℃はSn−Sb/Ni3Sn4/Ni3Sn2/Ni3Sn/Ni。
台湾精華大のグループ
Sn−0.05CoとSn−0.5CoとNiの拡散対では、180℃と210℃で(Ni,Co)Sn4とNi3S4が形成
Sn−5Au/Ni yato
Sn−5Au/Ni/Sn−5Auの拡散対,拡散接合
東工大 MASUI
Sn−Pd/Ni拡散対
453K、473Kでアニール
PdSn4
界面 (Pd,Ni)Sn4とNi3Sn4
Sn−Pd/Ni界面の濃度分布