(11−10−4) Ag、Pd、Coの影響
Au以外ではAg、Cu、PdなどがSnへの溶解度が大きい。
なかでPdSn4がAuSn4と同じ結晶構造をもち、Au→PdSn4で大きな体積変化を行う。
更にCoはNiと似た性質をもつ。
Cu6Sn5は凝固過程でNi上へ堆積現象を示し、これは速い再堆積ともみれる。
(A) Agの影響
SnAg Chi台湾 Cu/AgとCu/Ni/Auパッド
置換0.2μmAg、電解5μmNi/置換0.5μmAu、はんだSn−3.5Ag、直径0.4mmボール
Cu/Ag Cu/Ni/Au
Cu/Ag 100℃アニール
Cu/Ag 150℃アニール
Cu/Ni/Au 100℃アニール
Cu/Ni/Au 150℃アニール
Aisha
Cuに約2μmの置換Ag(ImAg)、はんだはSAC405とSAC305
Liu Ag3Snによるトラップ
共晶Sn−Ag(直径750μm))と電解Ni/1μmAu
1μm程度のAu層は10秒以下(ピーク温度250℃)で消費される。
時間と共にAuSn4粒は根元でNi層から離れはんだ中に取り込まれる。
30秒ですべてのAu IMCは界面を離れ、界面にはNi3Sn4が形成され始まる。
エージングではSn−37Pbと異なり少量の(Au,Ni)Sn4が界面に戻り、連続層は形成されない。
多量の(Au,Ni)Sn4粒子がAg3Sn粒子のトラップされ界面に戻るのを抑制する。
*はんだ中Agの影響
Chen
Sn−3.5Agボール:径760μm
Cu|Sn3.5Ag|無電解Ni/0.03μmAu
Cu側はポーラスCu6Sn5上にAg3Snデンドライト成長。
Ni側には(Cu,Ni)6Sn5形成。
Cu|Sn3.5Ag|電解Ni/1μmAu
Auが両面のIMC成長を抑制。
Ni側 Cu側
(B) Pdの影響
Au同様Ni3Sn4上への(Pd,Ni)Sn4のエージングによる再堆積があるとされる。
Oda
長時間エージングでCu含有はんだでは(Cu,Ni)6Sn5にPdが固溶するがCuを含まないはんだでは
(Pd,Ni)Sn4がNi3Sn4上に形成。
Kim
はんだ:SAC305
PdはAuよりSnに溶解しにくいので、Pdが厚い(0.3μm以上)と溶解しきれないPdとSnが反応し
(Pd,Ni)Sn4が(Cu,Ni)6Sn5の上に形成される。
Ho
はんだ中に0.2wt%以上のPdでNi3Sn4上に(Pd,Ni)Sn4が堆積し界面強度が顕著に低下。
250℃での反応、パッド:電解Ni。
(C) Coの影響
Co|Sn|Ni/Au
Ratchev
3μmCo Co|Sn|Ni/Au
Labie Co|Sn|Ni/0.15μmAu
リフローでCoSn2形成、上に(Au,Co)Sn4の連続層
Co|Sn|Ni/AuではCoの上にも再堆積が起きている。
Yoon
Sn−3Ag−6Bi−2InのBGAと電解Ni/0.5μmAu
共晶Sn−Pbと異なり(Au,Ni)Sn4の再堆積(再析出)は観察されないとする。
時間、温度の増加とともにAg3Sn粒がNi3Sn4層へ広がる。