(12−1−8) 金属の延性と脆性
脆性brittle破壊:低エネルギー吸収、ほとんど塑性変形がない。
延性ductile破壊:高エネルギー吸収、塑性変形がある。
靱性toughness:破壊抵抗能力、破壊までに吸収されたエネルギー。
延性ductility:破壊しないで塑性変形する能力。
延性と脆性
延性:破壊前の大きな塑性変形とエネルギー吸収(靱性)
脆性:破壊和前にほとんど塑性変形せず、低エネルギー吸収
延性破壊では亀裂が発生したマイクロボイドに対応するディンプルが存在。
塑性変形が認められず、亀裂伝播は非常に速い。
亀裂伝播はほとんど印荷方向に垂直。
亀裂はしばしばへき開で伝播。
BCC金属は延性−脆性遷移をする
高強度物質はエネルギー吸収が小さく、低強度物質はエネルギー吸収が大きい。
応力−ひずみ曲線
fcc(Cu,Al)はhcp(Zn,Mg)よりひずみ硬化を示す。
すべりは高原子密度面あるいは低指数面と稠密cp方向でおきやすい
BCC:{110}、{112}、{123}面と<111>方向
FCC:{111}面と<110>方向
HCP:(0001)面(底面)と<1120>方向
The ELFNET Book on Failure Mechanisms, Testing Methods, and Quality Issues
各種材料の延性−脆性遷移
Al:fcc、Cu:fcc、Zn:hcp、軟鋼:bcc
はんだの延性破面と脆性破面(
千住)
ディンプルを示すSACの延性破面 Sn−58Biの脆性破面
(12−1−9) Sn基はんだの延性−脆性遷移(低温脆性)
Sn基
Lambrinou こちらも
fcc、hcpはbcc、bctより変形しやすい。
bcc、bctは低温脆性を起こす。(fccは起こさない)。
(fccも合金化で温度依存性生じるようになる)
bcc/bct金属の破壊靱性は温度上昇、ひずみ速度低下とともに増加
低温、高速で変形抵抗大
低ひずみ速度 10
−5s
−1
中ひずみ速度 10
−3s
−1
高ひずみ速度 10s
−1
バルク試験結果
試料厚みは延性−脆性遷移温度に影響する。
Pb:fccなのでSn−37Pbは脆化が抑制されている。
はんだ接合試験結果
バルクと接合の比較
バルクの破面
Sn−37Pbはfcc(遷移を起こさない)のPbリッチ相と遷移をおこすbctのSnリッチ相よりなるので折衷的
バルクのIMC
接合の微小シャルピー試験
はんだ接合のIMC
はんだ接合破面のボイド
アニール効果
SAC405
延性−脆性遷移 Ratchev
温度の影響
Guruprasad
振り子衝撃試験
衝撃エネルギーと破壊モードの温度による変化
BGAの振り子高速衝撃試験
基板落下衝撃試験
エージングの影響
Ratchev
シャルピー試験(振り子衝撃試験)
Sn-37Pb
ホモロガス温度(融点規格化温度)の関係で高温での伸びは加工硬化と動的回復の相互作用による。