(12−3) はんだ接合破壊
(12−3−1) はんだ接合におけるひずみ速度と破壊モード
はんだのバルク材料では延性破壊と脆性破壊が見られるが、実際のはんだの相互接合では
接合界面の影響でもっと複雑となる。
はんだ接合ではひずみ速度によってはんだバルクの延性破壊から接合界面の脆性破壊への
破壊モード遷移が生じる。
詳細に見れば接合界面の破壊は
はんだ/IMC界面
IMC/IMC界面
IMC/PCBパッド
がありうるはずである。
(更にパッド剥離(ランド剥離)、積層板えぐれ(クレータリング)なども起きる)
実際はいくつかの破壊が混合することが多い。
・破壊モード
(エージング後、)
*はんだ接合界面強度、パッド接着強度、積層板強度は実際の強度順位、傾向を示すものではない。
界面IMCの状態
Cu基材
(エージング後、)
Cu基材とZn含有はんだ
(エージング後)
Ni基材とCu非含有はんだ
Ni基材とCu含有はんだ
(エージング後、SAC396、) 条件により異なるがNi固溶した(Cu,Ni)6Sn5が形成されうる。。
Ni/Au基材とZn含有はんだ
(
Yoon) 条件によりAu−Zn IMCが剥離しNi5Zn21形成。
Ni(P)基材とCu非含有はんだ
Ni(P)基材とCu含有はんだ
(
Tsai、SAC305、リフロー後)
界面脆化
特異な界面脆化問題として、凝固過程での低融点相の形成(Pb、Bi偏析)あるいはエージングにおける反応
によるPb、Biなどの界面富化がある。
*低融点相形成によるフィレット剥離と界面の脆性剥離(千住金属)
*界面へのPb偏析による亀裂(SACボールとSnPbペーストの混合
Hillman)
界面でのBi富化
エージングでCu基材はIMC層成長が速く、Biリッチ層が形成される。(
Yoon)
はんだ接合の破壊モード模式図
はんだはひずみ速度の増加に従い強度は上昇する、一方界面強度は詳細は不明だが
ひずみ速度の増加に従い低下、あるいはほとんど変化しないという前提で説明される。(上記図参照)
Lal
遷移 Yazzie アリゾナ州大 SAC397とCu
組織(硬度)はリフロー時間にはほとんど関係ない。エージングで変化。
IMC成長はエージングの影響は小さい。
従って、リフローとエージングで組織の影響とIMC厚みの影響を区別して評価できる。
140℃エージング
はんだ強度で支配される領域ではエージング時間に接合強度が影響されるが、IMC(界面)支配領域ではエージングの
影響はない。
IMCが厚くなるとすべてのひずみ速度で強度が低下する。
リフロー時間(IMC厚み)の影響
3h(IMC厚み14μm)でひずみ速度とともに延性のディンプルから脆性のへき開に破面変化。
*非現実的に異常に長時間リフロー、きれいなデータだが現実性に欠ける条件である。
(12−3−2) IMCの機械的性質
界面の強度とIMC自体の強度は異なる。
Tsai
Leeによるデータ
Chromikによるデータ
Cech
Albrecht
Song
Klesper
DfR Solutions
Wang
Galyon