(17−3−3) 各種はんだのエレクトロ・マイグレーション
Lu
UBM(スパッタ):TiW(1650Å)/Ni(6μm)/Cu(2μm)
カソード:無電界Ni(P)(14μm)/スパッタAu(500Å)、無電界Ni(P)(14μm)/スパッタCu(2μm)、電解Cu(14μm)
電子流は上から下。
Sn−CuはんだではめっきCuは完全に消費。Sn−Agはんだでは消費は少し遅い。
Ni上のCuは(Cu,Ni)6Sn5を形成しNiを保護する。
表面処理の順位はNi(P)/Cu>Ni(P)/Au>Cu
界面のボイド形成
めっきCuではCuは完全に消費され、Snは下地Cuに浸透しCu6Sn5はCu/はんだ界面から一掃。
Ni(P)/Auでは下地Cuはほとんど影響されない。IMCはNi/はんだ界面から一掃されはんだがNi層に浸透、
はんだと残存Ni層の間に薄い隙間形成。更にNi−Cu界面にボイド形成。
はんだ−Ni界面の空洞はめっきCuと類似。(?)
Ni(P)/CuとSn−AgではNiとCu6Sn5層は依然そのままで界面IMC/はんだ界面にボイド形成。
2つの主要な粒が存在する場合
カソード界面の様子
右はNiバリア層はそのまま。に濃度はPより高く、Snは検出されず。隣のIMCはNi3Sn4。
ボイドはIMC/はんだ界面に形成。
→Snの自己拡散による破壊モード
左は界面IMC一掃、SnがNi層そして下地Cuへ浸透。残存Ni層ではP富化。NiにSnが存在。
CuはIMCに存在し粒界に掃かれる。
→特定方向配向のSn粒経由のNiとCuの高速拡散路による破壊モード
a、b軸方向の対しc軸方向はCuで40倍、Niで70000倍速い。
Snのc軸が電流方向と高角だとSnでのCu、Ni拡散は遅く、破壊はSnの自己拡散または格子拡散で特徴付けられ、
IMCとはんだ間にボイド形成。
c軸が電流方向に揃うとCu、Niの拡散は非常に速い。Cu6Sn5IMCはすぐにばらばらになり粒界へ一掃され、粒界経由
で反対側へ。
Sn−CuはんだとSn−Agはんだの粒組織の違いの影響
Sn−Cuはんだ接合では少し小さい粒がEMで2、3個の大粒に粗化。
Sn−Agは少ない独立粒がEM中安定。
Sn−Ag系ではこれら多くの粒は結晶学的関係にある。
双晶、特に繰り返しの回転(60°)双晶が一般的。
Hongwen
5x10
3A/cm2
電流負荷でカソード側に亀裂、亀裂は界面に沿って伝播、アノード側には明らかな変化はない。
Liang
Sn−Cuはんだ接合での電流方向の影響。
1.3x10
4A/cm
2、100℃、バンプは半分切断。
UBMカソード
基材側(アノード側)にヒロック。
電流負荷増でカソード側にボイドが形成され伝播。
UBMアノード
電流負荷150hで多量のIMCがチップ側(カソード近く)に形成、円で示した部分にも多量のIMC。
ヒロックは形成されない。
1632hでIMC形成がより顕著、基材側に厚いIMCが存在。(論文では厚いUBMとするが間違いだろう)
電子が出る部分(上方左角)にヒロックが存在。ひとつの小さなウィスカが突き出ている。(ヒロックから)
粒構造とIMC分布
Sn粒がIMCより暗く見える。
Sn粒界のIMCがSn原子拡散路を阻止しヒロックとウィスカ形成を抑制。
EM Ling
共晶SnPb、150℃雰囲気、電流5x10
3A/cm2
基材:Au/NiまたはOSP、UBM:Cu/Ni
平均破壊寿命はOSPがAu/Niより6倍良い。
OSP
高温のためSnPb粗大化、
Ni UMBのNi消費は不均一で電子が入る部分が速く、2相構造となる。
ボイドは電子が入る部分からは始まらず、ボイド上のNi UBMは依然そのままで、IMCはCu6Sn5。
電流負荷が更に長くなるとボイドは界面に沿って左へ伝播。
3000hで接合は完全に溶融。
Pbはアノード(基材)側に追いやられる。
OSPで極性反転。
極性反転でPbはアノード側(チップ側)へ。
Au/Ni表面処理基材
負荷まえにはCuが完全に消費されCu6Sn5となり、Ni3Sn4は形成されない。
550h(c)で基材側のC(Cu,Ni)6Sn5層上にほとんど連続な(Au,Ni)Sn4層が形成される。
600h(d)で接合は溶融し破壊。
右から左に3領域が認められる:2相領域、Niが使い果たした領域、Niがいくらか残っている領域。
Ni消費は右と左で非対称。
OSPが6倍平均破壊寿命が良い、これはNi UBM消費がOSPが遅いため。