(8−3) 過冷却

(8−3−1) 金属の過冷却

防衛大のグループによると

 ΔTの定義

 ここで220℃付近の温度一定はレカレッセンス(再輝現象、復熱)と呼ばれ、凝固潜熱による再溶融とされる。
  


 一般に液体金属では
 Turnbullらによる50μmサイズ液滴研究で過冷却ΔTは
   ΔT=0.1895Tm
   ΔT=Tm−Tc  Tc:均一液相の冷却下限温度)
 Perepezkoの液滴分散法で低融点液体金属(Sn、Pb、Biなど)で
   ΔT=0.3〜0.5Tm
 DevaudらはB2O3液体中のGe液滴で
   ΔT=0.12〜0.34Tm

 しかしPbフリーはんだで議論されている過冷却は
 ΔT=加熱時の溶融開始温度−冷却時の凝固開始温度
としている。(これは凝固と溶融のヒステリシスとでもいうべきものでなかろうか、実際の凝固、溶融は平衡状態でないこと、種々の
要因を受けて反応が促進、抑制されることを示しているだろう。)  

 ところでBosenbergによると

 レカレッセンスによるΔTと凝固、溶融開始温度によるΔTが一致している。


Cho




(8−3−2) Pbフリーはんだの過冷却

Anderson
 SAC3595





Lehman

 SAC1:SAC359、SAC2:SAC269

IBM Cho UBMの過冷却





Cho 黄銅基材




IBM Kang 微小合金添加の信頼性 
















 





Kang NESAC IMC、Bi添加
 Sn−Ag−Cu共晶近傍はんだではAg3Snの過冷却が小さく、βSnの過冷却が大きいため、大きな平板状
のAg3Snが初晶として晶出しやすい。この大きなAg3Snははんだやはんだ接合の機械的特性や信頼性に悪影響を
与えるためにこれを制御する必要がある。
 この制御には冷却速度を速くする、Ag量を減らすことが効果がある。Cu量はほとんど影響がない。
 そのほかにβSnの過冷却を小さくすることが効果がありこれはZn、Al、Sbなどの微量添加でなされる。


 Ni/AuとCu



 熱疲労の結果はAg量に関しては多いほうが良好で、大きなAg3Snの存在は悪影響を与えていない。
 冷却速度は速いほうが良い。低Agは冷却速度依存性が小さい。


 Shen
  巨大な初晶Ag3Sn量は過冷却に比例
  



Sweatman





 熱分析試料



Lu IMC prelimiary



バンプ
 はんだ体積、組成、UBMに強く影響され、冷却速度、鋳型板の保持温度にはそれほど影響されない。
 
  Ag、Cu量の影響はそれほど受けない。
  Co、Znが大きな影響、Feはそれほどでもない。


 Ni/Cu UBM





Shen
 共晶(3.8モルAg)と過共晶(4.4モルAg)


 
 初晶Ag3Sn量と過冷却


Kantarcioglu





 Cuとの接合界面

 EUSAC:SAC359、NESAC:SAC379、SAC:SAC359




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