(13−8) 結合環境試験CET
(13−8−1) 結合環境試験CETとHALT
Karppinen
信頼性評価は単一負荷試験で行われるが実際の動作では製品は複数の負荷にさらされる。
製品は動作中は熱の発生により高温状態にさらされ、そのような環境で携帯機器は落下を受ける
ことになり、車載機器は振動を受けることとなる。
このような負荷の結合は単一負荷に比べ製品の故障を促進すると考えられる。
このため実仕様環境の破壊機構に接近しまたシュミレートするために多負荷試験が研究されている。
一方多負荷試験は損傷速度を促進し従って試験時間とその労費を節約できると期待される。
2つ以上の負荷を連続あるいは同時に加える試験を結合環境試験CETと称し、このなかでランダム振動と温度サイクルを
同時に負荷する試験にHALTがある。
HALTは熱的負荷と機械的負荷を同時に積極的にかけることにより過剰な負荷で破壊を起こし、設計と工程の問題を
見つけ出すことが目的で、負荷条件と破壊機構は使用環境と異なり真の寿命あるいは信頼性評価に使用できる方法ではない。
HALT(Highly Accelerated Life Test)高度加速寿命試験
定性的、振動と温度サイクル(高温、低温と熱衝撃:急冷・急熱)の結合
設計、工程での弱点の調査が目的
規格例:GM Worldwide engineering standards Test Procedure Analysis
GMW8287
HALTと関連する用語に
HASS、HASAがある。HASS、HASAはHALTの結果を基礎とする。
Highly Accelerated stress ---- 〜篩分け(Screening)HASS、〜検査(Audit)HASA
HASSは量産段階での全数の、HASAは抜き取りの合否確認工程である。
負荷はHALTより弱くなるが実使用よりは厳しい。
従来の篩分け(Screening)−環境負荷篩分け
ESS(Environmental Stress Screening)あるいはBurn-Inは時間がかかりすぎる。
更に寿命予測と加速係数の問題がある。
寿命予測
構成式に依拠
加速試験(加速係数)
Coffin-Manson、Arrhenius等の式と活性化エネルギー
HALTの構成
Elitetest
段階的冷却
段階的加熱
急温度サイクル
段階的振動試験
結合環境試験 温度サイクルと段階的振動
*プロファイルはいずれもGMW8287から。
Envirotronicsによると
HALTの問題点とMEOST
Mattila
機械的な負荷と熱機械的負荷は基本的に異なる破壊機構と異なる破壊様式をとる。
このため単純な2つの機構の重ね合わせは信頼性予測に誤解を招きうる。
HALTは設計の潜在的弱点の同定には有効な手段だが、加速寿命試験ではない。
まtHALTは実際の動作と異なる過負荷をもたらすという欠点がある、そこで
MEOST(多環境過負荷試験)
なども考案されている。
MEOST(Multi Environment Over Stress Test:多環境オーヴァーストレス試験)
MEOSTでは破壊failureによって設計の弱点をいぶしだす。
負荷限界の定義
破壊限界(HALT)
最大実際過負荷水準(MPOSL):破壊限界下で十分の余裕(通常20〜30%)をもった値。
設計限界
動作限界(HASS):正常動作しなくなる負荷、除去で正常動作復帰。
仕様限界
破壊限界>MPOSL>設計限界>動作限界>仕様限界
Lin
第1段階:設計限界(動作限界+マージン)まで単独で各ストレスを負荷
第2段階:動作限界の97.5%まで結合ストレス負荷
第3段階:動作限界から設計限界まで2〜4段階で結合ストレスを上昇
第4段階:最大実際過負荷限界MPOSLまで単独で各ストレスを負荷
第5段階:設計限界からMPOSLまで4〜5段階で結合ストレスを上昇
同様に超加速性をうたっている試験にHASTあるいはPCTがあるが内容は異なる。
*HAST(Highly Accelerated Stress Test)高度(超)加速応力試験 JESD-22-A110
圧力、湿度と温度、不飽和加圧水蒸気圧環境
**PCT(Pressure Cooker Test圧力容器試験) 飽和加圧水蒸気圧 JESD22 A102
121℃、100%RH、29.7psig/205kPa、24、48、96、168、240、336hs
*結露の影響
→主に樹脂封止半導体パッケージの吸湿試験
高温高湿→PCT→HASTという流れ
MIL−STD−810F−520.2
温度、湿度、振動(、高度)の組み合わせ、主に振動と温度+その他