(15−5−12) ウィスカと腐食
酸化・腐食とウィスカについては
表面酸化膜の亀裂によるウィスカ生成
腐食生成物による体積増加に伴う圧縮応力
リードのCu露出部とSnによるガルバニック腐食。
水分が多いほどウィスカ発生しやすい。
はんだ接合部からのウィスカ発生。
というような形で語られる。
西村
Osenbach Sn腐食とそのウィスカへの影響
腐食(黒点Black spot)
観察結果
膜が完全に酸化されても膜の表面の酸化、非酸化領域の垂直高さは同じ→腐食過程で酸化物表面はピン留め(垂直膨張はない)。
ウィスカは腐食領域近くで核生成。
ウィスカは単結晶と多結晶がある。
IMCはアニールによっても完全には平面化しない。(端子の端が厚い)
気相酸化物厚みは<5〜19nm
凝縮水腐食領域は>10x10
5nm
IMC/Cu界面にKirkedallボイドは存在しない。
βSnとSnO2はテトラゴナルでc軸格子定数はほぼ同じ。→(011)面から生じたSnO2はほとんど歪エネルギーを生じない。
仮説理論
激しい酸化が起こった端子の部分とその周辺のSn膜での過剰なSnによる応力が駆動力。
空孔が系のひずみエネルギーを減少させるために利用できるようになれば過剰Snはウィスカ核生成サイトへ移動する。
酸化/Sn界面の関係する核生成サイト
最小距離 〜1μm
最大距離 〜125μm
典型距離 <50μm
短範囲と長範囲の両方のSn拡散が時には起こりうる
Sn移動とウィスカ成長
これら温度では膜はピン留め(高さ変動あるいは粒成長はない)、空孔供給もピン留め。
表面の局部的酸化物破壊で周期的の系をピン留めはずしunpinできる空孔源がもたらされる。(弱い酸化物ではない)
腐食、非腐食部間界面近くの応力差
異なる結晶方位/酸化粒間の応力差
水分が存在する膜領域には空孔は注入できない。(ウィスカが腐食している場合、膜の腐食前のウィスカが存在)
検証
ウィスカ体積≦酸化による過剰体積
水分凝縮が過剰腐食(black spot)をSn膜に起こし、それでウィスカが発生し得る。
すべての高湿でのウィスカが過剰な腐食から生じるわけではない。
Su
10μm、150℃x1h(めっき24時間以内)
60℃、85%RHと60℃、93%RH、4000h
60℃、93%RHがより激しく腐食、高腐食が高ウィスカ成長。
60℃、93%RHの3000hと4000h
リフロー効果(60℃、93%RH)
基板にはんだ実装したものはウィスカが認められない。(SACペースト)
ほとんど腐食は認められない。
すべての端子が完全にはんだで覆われているわけではない。
フラックスで腐食が抑制?
小さいパッケージでは端子が完全にはんだで覆われ腐食はおきにくい。
Snと露出Cuとのガルバニック腐食起きる。
はんだの腐食とウィスカ
田辺
Sn−2Bi、Sn−10Pb、10μm、
85℃、85RHと110℃、85%では500hから両方のはんだ試験片でウィスカ発生。
Pbフリー試験片からはSn、Pb試験片からはPbが検出。
Baated
吉野
はんだによるウィスカ
潜伏期間をもち、成長は飽和する。
はんだ:SAC305に0.3Sb、0.04Ni、0,003P添加、SAC405、SnCuNi、SnPb。
SnPbは発生せず、Sb添加は少ない、SnCuNiが多い。
はんだによるウィスカにはNi/Auの効果はない。
水蒸気量が多くなるほど多発。
はんだ付け後の洗浄とコーティングに効果がある。
SnとCuの局部電池形成によるガルバニック腐食で生成した腐食生成物による応力が原因。