2012-Panashchenkoから
金属ウィスカ
金属表面の粒から出現する（生え出る、突発する）髪の毛状金属構造
真っ直ぐ、屈曲、奇妙な形状
Ｓｎ、Ｚｎ、Ｃｄのコーティングが特に発生させるがＩｎ、Ａｕ、Ａｇ、Ｐｂなどでも見られる。
ＳｎＰｂウィスカ
Znのウィスカ
ウイスカの問題、特に電子機器におけるウイスカ問題についてはＮＡＳＡに詳しいＨＰがあり、文献も紹介されている。
Ｐｂフリーはんだ関連で問題になっているのは主にＳｎめっきウイスカーであり、更にはんだウイスカも紹介されつつあるが、
ＮＡＳＡのＨＰでは金属のウイスカとしてはそのほかにＺｎ、Ａｕ、Ａｇなども紹介されている。
Ｚｎウイスカー
Ｚｎ ウィスカ
炭素鋼上の電解めっきZn、１０〜２０年たったものでタイル床から採取。厚み約１μｍ。
FIB観察結果。
明白なＩＭＣ形成は見られない。
Ｚｎウィスカは多結晶体で微粒に見える。
（ここの粒は見えない。）
ＸＲＤによるＺｎ層の粒径は３２nm。
ＸＲＤではＺｎのほかにＺｎＯ存在。
ウィスカとめっき層の区別はできない。
Ｚｎ、Ｃｄ、Ｓｎの類似点は熱膨張率のａ軸とｃ軸の大きな差。
| 各種金属の室温でのＣＴＥ（ｐｐｍ／Ｋ） | |||
| 金属 | 結晶構造 | ＣＴＥ ｃ軸 | ＣＴＥ ａ軸 |
| Ｓｎ | ＢＣＴ | ３０．５ | １５．５ |
| Ｚｎ | ＨＣＰ | ６３．９ | １４．１ |
| Ｃｄ | ＨＣＰ | ５２．６ | ２１．４ |
| Ｍｇ | ＨＣＰ | ２７ | ２５ |
配向は（１０３）が（１１０）よりやや優勢。
Ａｕウイスカ
電解Ni（２０μｍ）上への約２μｍの電解Au
Ａｇウイスカ
AgウィスカはH2S雰囲気で発生し、Ag2S層の形成が必要。
＊→酸化物ウィスカ
（１５−１−４） ウィスカ類似生成物（非ウィスカ）
2012-Panashchenkoから
ウィスカではない例
電気化学マイグレーションのデンドライト：成長にイオン性媒体と電圧バイアスが必要、２次元構造。
めっきデンドライト：電解めっき中にだけ成長、時間とともに成長しない、特徴的うねり（ridge）がない。
＊ｔｙｃｏのめっきデンドライト写真
Cu-Sn IMC針：Sn系はんだの過剰なCuの結果、はんだ付け中にだけ発達、時間とともに成長しない。（Ｈｉｌｌｍａｎ）
＊ＦｅＳｎ２ （Ｉｎｄｉｕｍ、Ｗａｖｅ管理）
はんだ槽からのＦｅ溶解で形成されたＦｅＳｎ２ブリッジ
＊Panashchenkoのウィスカでないもの
電気化学マイグレーション
はんだつららicicle（Ｓｎ３．０Ａｇ０．５Ｃｕはんだ）
時間とともに成長しない。
めっきデンドライト
めっき浴の添加物が不適当で生じるという。
ＳｎＣｕ ＩＭＣ（Ｈｉｌｌｍａｎから）
＊Ｓｎ−Ａｇめっきでのデンドライト
Zhang
高電流密度っ領域領域のＳｎデンドライト
Ｂｉ汚染からのＳｎ針
JEDEC 22A121 Annex D Non-Whisker Surface Formations
凝固によるデンドライトとめっきによるデンドライト
凝固によりシダ様に成長するデンドライト ヒロックはある場合はウィスカの先駆である。
高温高湿曝露で形成された花。表面汚染と凝結の結果と思われる。 めっき中に表面に形成されたデンドライト。
Ｐｈｏｅｎｉｘ
デンドライト ヒロック 花
（１５−１−５） ウィスカの成長の様子
→ウィスカ成長の動画（Ｂｒｏｗｎ大）
Ｊａｄｈａｖ
動画
Time series SEM images showing whisker nucleation and growth. Time after deposition: (a) 14 h, (b) 14 h 20 min.,
(c) 14 h 40 min., (d) 17 h, (e) 21 h.
(a) SEM image of Sn surface with a hole in oxide layer made by FIB at 6 h after deposition,
(b) image after 138 h; no growth is visible where oxide was removed but hillock is observed within approximately 10 μm.
ＦＩＢで酸化層の穴を形成、穴には何も成長しないが近くにヒロック成長。
動画
Time series SEM images showing hillock growth with surface rotation and extensive lateral grain growth. Time after deposition:
(a) 6 h, (b) 12 h, (c) 18 h, (d) 32 h, (e) 44 h, (f) 56 h, (g) 76 h, (h) 138 h. Insets shows schematic of shape evolution highlighting rotation
of the original surface. Arrows point to grain boundary features in (d) that are visible as ridges on side of the hillock in (h).
ヒロックの表面の回転と横への成長
動画
Time series SEM images of hillock that appears to emerge from only a portion of the original grain. Time after deposition:
(a) 6 h, (b) 13 h 30 min., (c) 13 h 40 min., (d) 15 h, (e) 20 h, (f) 40 h, (g) 96 h, (h) 138 h. Circle in (a) highlights region
of interest. Arrow in (f) points to horizontal band that forms when growth direction changes.
元の粒の一部からだへ出現するヒロック
動画
Time series SEM images of hillock growth comprising multiple grains on original surface. Time after deposition:
(a) 6 h, (b) 31 h, (c) 56 h, (d) 81 h, (e) 106 h.
多粒を含むヒロック成長
動画
Time series SEM images of hillock growth showing extensive rotation and little vertical growth. Time after deposition:
(a) 6 h, (b) 8 h, (c) 12 h, (d) 18 h, (e) 50 h.
激しく回転しほとんど垂直成長しないヒロック
Ｄｉｎｇ
３重点に核生成するウィスカ
| 戻 る | 目 次 | 次 へ |