(15−5−5) 合金化効果

  Snめっきのウィスカ対策にはPb合金化が効果があることが従来から知られていた。
  Pbが利用できなくなり、特に日本ではBi、Ag、Cuなどの合金化効果が調べられ、BiあるいはAg
 の合金化が効果ありとされた。Cuについては矛盾する結果が見られる。
  Pbについては合金化でSnめっきの柱状組織が等軸状組織になることが知られていた。

  合金成分は
    IMC形成、酸化・腐食物形成による圧縮応力でウィスカ成長促進
    Sn粒界ピン留め効果でウィスカ成長促進
    Sn粒界でSn拡散抑制しウィスカ成長抑制
 というような効果が語られる。

 →ウィスカとヒロック

Wulfert
  60℃、95RH保持。
  潜伏期間、最大長さ、量の傾向。


Shipley
  合金化効果

   Sn10PbとSn10Biに効果、ただしSn10Biはめっきが困難。また脆く加工困難。低Bi、SnCu、SnAgは効果ない。


石原薬品
  SnBiめっき効果
  Cu合金(194)、42アロイ、Sn−2Bi、Sn−3.5Ag、Sn−1.5Cu、150℃アニール有無
  30℃、60%RH(Ambient);−40〜85℃;55℃(熱サイクル)、85%RH(湿度Damp)





     温度サイクルに対しては42アロイは良くない。

  厚みの影響

   厚い(10μm以上)とウィスカ成長抑制。

  下地めっきの影響

   室内放置に対しNi、Ag下地コートが効果。



   アリル樹脂による挟んでの加圧試験




NPL Huntら 2010 


   合金化がIMC形成に影響。

Jo










  Pbが粒界でのIMC成長抑制。

   粒移動のしやすさがヒロック形成の理由。







   微細化と柱状から等軸状への変化が効果の理由。


sakuyama 富士通


  りん青銅の場合


Gedny NISTの研究











Sobiech論文

  Cu上SnとSn−Pbの応力緩和機構
  *界面でのSn粒界への不規則Cu6Sn5形成による圧縮応力説に立脚。



  Sn/Cu界面と交差するSn粒界に沿って不規則なCu6Sn5が形成される。
  Sn−10PbではSn粒界に沿ってPb小粒が存在。また粗粒化とともに等軸状から柱状形態に変化。
  Sn−10PbではCu6Sn5は初期の不規則からむしろ規則的・平滑化する。ウィスカは見られずヒロックが成長。







  Pbが増でSnとPbの粒寸法減少し、より等軸状となる。
  IMC成長は膜厚みとPb量に顕著には依存しない。

  残留応力変化

   室温ではSn/Cuでは当初の引っ張りから圧縮に変化。
   Sn10Pbと等軸Sn/Cuは非常に類似し柱状Sn/Cuとはっきりと異なる。
   圧縮に変化するが圧縮応力は小さい。


Ashworth 2013

  粒界析出の効果。

Horvath
 Sn−Cu合金はんだディップ
 槽温度450℃、純Cu線に10μm
 105℃、100%RHでエージング。
 水分の凝縮の影響は考慮していない。
 腐食点でのウィスカ。


 2000hでの平均ウィスカ長
平均長(μm) 最初のウィスカ発見時間
純Sn 1.5 1200
1Cu 1.3 800
2Cu 3.6 800
3Cu 1.8 800
4Cu 5.7 800
5Cu 6.7 1200

 2000hでのウィスカ密度はCu合金系はすべて同じで腐食点はほとんど短いウィスカで覆われている。
 100Snでは腐食点は2,3個のウィスカだけ。

 原因
  Cuの酸化による密度変化減少(体積増加)がSnより大きい。


ドイツ


INEMI





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