(16−6−6) 拡散経路開閉理論
(A) Egliの統合理論
2012 IMCが拡散経路を開く
Egli
A:Cu上の新鮮な電解Sn:特殊な亜粒界構造はない。
B:スクリュー転位から欠陥に沿って繊維が析出、Sn−Cu界面でIMC形成し始める。
C:繊維が粗化し、近くの粒から繊維合体。IMC形成と繊維合体せずに粒界で特にSn搾り出し進行。
D:Sn−Cu界面近くの応力下のSnが表面酸物下の上方領域に移動。第二の応力区画形成(溝trench)
E:欠陥に沿う粒の本体へ欠陥に沿ってSnが広がる。(拡散障壁に導かれ)
F:表面酸化物と、あるいは表面のIMC/粒界が入る込む酸化物わきのウィスカ成長している粒が破壊、破壊位置からノジュール構造突出。
G:ウィスカ形成が残りの粒部を一掃し、粒部はウィスカの先端に引きずられる。
表面の多数の欠陥、スクリュー転位から発生 スクリュー転位消失、均一構造表面(繊維の跡)、ところどころ溝
ウィスカが成長する粒周辺に溝形成が見られる。
微細繊維亜構造が堆積に支配する粗い構造に転換、多くの粒界消失、近くの粒間の繊維合体。
ところどころ粒を橋渡ししない繊維形成。
ウィスカのない堆積
スクリュー転位がほとんどない、変化もほとんどない。ほとんどすべての粒に溝。
溝はエッチングで結晶欠陥から形成(Sn酸化物、粒界の高密度欠陥、アモルファス→IMC形成による)
溝はSn−Cu界面から表面への垂直Sn拡散の結果、垂直拡散は繊維合体の起きない粒界に沿って。
繊維合体で一般的突き出しは禁止、垂直拡散は開いた粒界に沿って許容、繊維合体がウィスカ成長を指揮。
繊維合体に影響する要因
欠陥数、Sn組織textureが近くの粒間の繊維配向を規定、IMC形成速度がアモルファス量を規定。
ウィスカ形成の初期段階・・・ゆっくり閉じる門の競合
繊維形成が門を閉じ、IMC形成が門を開けたままに維持。
第二段階は壊れやすい覆いのてこ力をもたらす格子(粒界酸化物、IMC?)による持ち上げ。
最終段階はウィスカ形成が残りの粒部を一掃で特徴つけられる、粒部はウィスカの先端に引きずられる。
近くで再結晶とウィスカが本体を整形する表面酸化。
(B) 原子モデル理論
Hatfield 原子モデルに依拠した新しい見方
表面酸化を駆動力としたSnの自己拡散の異方性による機構、合金元素が拡散経路を開(Cu、Znなど)、閉(Pbなど)。
ウィスカ表面での酸素の効果
ウィスカを張力状態にする
圧縮応力への要求
塑性クリープに比べウィスカ成長は応力緩和にとって重要でない
塑性変形はウィスカ成長より速く起こり易い。
Snの粒間輸送
Woodrow:粒間輸送は速い、ウィスカは下地Snの非常に広い体積からのSnを含む、2%Pbは拡散を抑制しないようだ。
Snの表面拡散はPb上とSn上で同じ。
実際の結果
Snはウィスカを横切るより沿うほうが速く移動。
SnはPb表面とPb中で安定。
PbはSn表面で安定だがSn中では安定でない。
(Pbにより)Sn−Pb粒界は崩壊し、表面を結合しSnを捕らえる。
異方性自己拡散がウィスカを促進
近くのPbとSn粒間のSn拡散は近くのSn粒間より遅いに違いない。
Percolation(ろ過、浸透)
臨界点Pc
2D平方アレーで0.5、3D立方アレーで0.25
Pbの抑制効果 5%<Pb<10%
SnはSn粒間を拡散、Pbは浸透網目を形成するか?
Pbの抑制機構
Zn、Cu、Mnによる促進機構